新年のご挨拶

新年のご挨拶

公益財団法人緑の地球防衛基金
理事長  大石 正光

新年あけましておめでとうございます。

さる11月、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)がモロッコ・マラケッシュで開催され、一昨年の11月(COP21)で採択された「パリ協定書」が、国際条約として発効されました。20年も前に遡りますが、同じ会議で日本の努力で決定した「京都議定書」が同じマラケッシュで行われていました。衆議院環境委員長であった私は、マラケッシュの会議に参加して、大会議場において、日本代表の環境大臣に決断を迫ったことを思い出していました。ところが、環境問題は世界のリーダー国を自負していた日本は、国連会議(COP22)では、正式参加メンバーに入れずにオブザーバーとして参加しました。日本の国会がこの条約をCOP22の開催前に承認して国連に提出していれば、こんな問題は起きませんでした。環境大臣のお粗末と環境省の無能さと外交交渉の実態を把握できない日本外交のお粗末さがまた露呈しました。

アメリカのトランプ政権の環境保護局長官にオバマ氏の地球温暖化対策に懐疑的な立場で知られるスコット・プルイット氏が指名されるようです。「京都議定書」の合意後、ブッシュ大統領は、突然合意書から離脱しました。また同じことが起きるのでは、と危惧しています。

地球温暖化は、世界中で起こっている気候変動による異常気象の被害で、待ったなしの現実にあります。新しいアメリカ大統領が保護主義にはしらずに、世界のリーダーとしての存在を行動で示してくれることを祈るのみです。

平成29年の新年にあたり、会員はじめ多くの皆様にとって、よい「酉年」になりますよう、祈り上げます。