第六回研究・活動報告会

第6回研究・活動報告会の報告

自然環境を守る
- 第6回研究・活動報告会 -

公益財団法人緑の地球防衛基金は、1月26日(土)午後2時から、東京・中央区新川の馬事畜産会館2階会議室において「緑の地球を守るために」の第6回研究・活動報告会(テーマ:自然環境を守る、後援:株式会社セディナ/地球にやさしいカード)を開催しました。

はじめに、永島勲尾瀬自然保護ネットワーク理事長から「貴重な尾瀬を後世に伝えるために」と題して日本の自然保護運動の発祥地として知られる「尾瀬国立公園」における自然保護活動の取組みについて報告がありました。報告では、尾瀬ヶ原や大江湿原ではニホンジカによるニッコウキスゲ等の食害が拡大し、このままでは近い将来シカの嗜好性植物の消失と不嗜好性植物の増加等により湿原の生態系は、壊滅的な影響を受けるものと深刻に受け止めていました。また環境省のニホンジカ対策の現状について報告がありましたが、同問題は、脆弱な湿原植生の維持とシカの生息とは相いれない関係にあり、今、自然からきわめて難しい問題を突きつけられていると述べられました。地球温暖化の影響として、移入植物の侵入や繁茂から、尾瀬の固有植物が駆逐される恐れがあるとして、除去等移入防止策を行うための基礎調査を行っているとのことでした。

続いて、鈴木裕司桶ヶ谷沼を考える会理事長からは「トンボの種の保全・保護への挑戦」について報告がありました。桶ヶ谷沼は今までに70種のトンボが確認されている豊かな自然の残された楽園ですが、沼の遷移や外来種アメリカザリガニの異常発生、渇水等トンボの水辺環境は著しく悪化してきており、特に絶滅危惧種ベッコウトンボをどう守るかが課題となってきている。そこで、市民を交えてコンテナや箱舟による飼育や増殖を始めているが、さらに沼から直接ベッコウトンボが数多く発生する状態にまで水辺の環境を整えていきたいとの夢を持ち保全活動を進めているとのことでした。

次に、西薗大実ストップ・フロン全国連絡会代表からは「オゾン層保護のためのフロン問題への取組」について報告がありました。オゾン層保護のためのモントリオール議定書締約から25年が経過したが、南極に加えて北極でもオゾンホールが発生しており、いまだにオゾン層破壊は進行していると危機感を募らせておりました。学校教育では、自然環境教育の実施がうたわれているが、オゾン層破壊は取り上げられないことが多いとして、オゾン層破壊について子供から大人まで有効な啓発ツールの研究開発が必要である。またフロン規制関係の法律があるが、冷媒の廃棄時回収率が30%、建築断熱材やスプレーには法規制がないなど欠陥があるとして、フロン使用機器ユーザーの漏洩対策や回収強化、ノンフロンへの代替を促されなければならないと訴えておりました。

 参加者は熱心に聞き入り、盛会に終わりました。