近況報告

当基金では、1992年度から、現地NGOのタンザニア環境行動協会 TEACA(Tanzania Environment Action Association)と協力し、タンザニアキリマンジャロ山麓・山腹で植林を行っています。

TEACAが中心となって活動している植林ネットワークには、さまざまな地区で活動する10グループが加盟し、各グループごとに育苗所を設けて管理し、植林を行っています。

「タンザニア現地調査報告」(2009年12月27日~1月10日)

12月27日~1月10日にかけて、タンザニアでの事業フォローのため、現地調査を実施した。

現地概況としては、昨年大雨期(4~6月)に、とくにキリマンジャロ山麓を中心とするタンザニア北部地域一帯は深刻な降雨不足に見舞われていたが、今度は年末の小雨期(11月~12月)に、一部で死者も発生する大豪雨を招く事態となっていた。今回の調査時点でも、山中では時折激しい雨が降り続いている状態であった。

今回の調査の主たる目的は、(1)昨年夏の現地渡航で方向性が決まった、「村」のイニシャティヴによる植林への切り換えに向け、村/村人/TEACAとの全体協議を行い、その実施を確実にすること、(2)キリマンジャロ山の麓に建設を始めたレンタハウスの着工状況確認、の2点である。

(1)「村」主導の植林に向けて

村主導の植林を目指す背景には、小規模苗畑グループによるこれまでの植林活動が抱えている限界の克服がある。現在取り組んでいるキリマンジャロ山の主力植林地は広大で、苗畑グループが単独で立ち向かえる規模を明らかに超えている。こうした場所での環境回復作業は、一部の村人たちの力によって為されるべきではなく、地域全体で問題意識を共有し取り組んでいかなければ、活動の継続自体が困難なものとなる。そして地域全体を統括できる立場にあるのは「村」であり、その「村」のイニシャティヴに よる植林活動を、今後どのように推進するかが大きな課題となっている。

(写真3:テマ村での話し合い)

そこで今回の事業調査では、(1)受け皿となる村の制度面での環境整備(=森林管理の基 本方針の策定)、(2)基本方針に対する地域住民との合意形成、(3)村の基本方針と上位行政レベル(=県)との考えの擦り合わせを行ってきた。

各レベルにおいて基本的なフェーズ合わせはできつつあるが、とくに県レベルでは国の政策にも関わる問題であるだけに、今後も十分な時間をかけて慎重に取り組んでいく必要があるだろう。

(2)レンタハウス着工状況

建設にあたっては建設業者との契約が必要になるが、当初見積もりに対してかなり割高に要求してくる業者が多く、その選定にかなり手間取ったとのことであった。数社と交渉しようやく業者が決まり、かなり遅れて工事に取りかかったところであった。現在、基礎部分の工事までが終わっており、これから建物本体の建設に入る。

建設現場が村ではないため、工事進捗の管理と資材盗難の防止等に万全を期す必要があり、TEACAには頻繁に現場に足を運び、確認作業を怠らないよう指示してきた。いずれにしても、建物が形になるまでは当面気の抜けない状況が続くことになる(工事の完了は6月の見込み)。

また、この建設事業はエキスパートグループホールディングス㈱からの民間助成金を利用して進めているが、当基金としてはいかなる理由があっても、それ以上の支援はしないことをTEACAに対しては申し伝え、それで了解を得ている。

なお、エキスパートグループホールディングス㈱に対しては、本事業の進捗につき、1月15日付けにて中間報告を行うとともに、6月末には基金の決算書類等とあわせ、最終報告書を提出することになっている。

(写真上下とも) TEACAレンタハウス建設状況

「タンザニア現地調査実施」(2009年9月)

7月25日~9月1日にかけて、タンザニアでの現地調査を実施した。同国では、キリマンジャロ山麓を含む北部地域一帯で、今年の大雨期(3月~5月)の雨量が極めて少なく、例年比60%~70%減の結果となった。このためとくに平野部の半乾燥地を中心に厳しい水不足に陥っており、穀物は全滅、家畜の牛も水不足、餌不足のため死にはじめており、一部地域では国際機関による食糧援助が開始されていた。

こうした状況から、半乾燥地の植林事業地では、昨年から今年にかけて植えた苗木約2万7千本が全滅する事態となっていた。

一方キリマンジャロ山中でも雨量不足から、本格的な大雨期植林が4月下旬になるまで実施できなかった。このため各苗畑グループの植林計画の一部を、少ないながらも北部に比べ雨が降った、東部地域のダルエスサラームに振り替え実施した。

今回の調査にて、昨年度(タンザニアの年度は6月末締め)の各苗畑グループの植林実績がまとまったが、その結果は以下の通りであった。

グループ名 10年計画
(単年度換算)
昨年度植林実績 差異
TEACA 8,320 6,742 ▲1,578
フンブフ 3,330 2,606 ▲724
キディア 2,850 2,469 ▲381
オリモ 2,840 1,466 ▲1,374
フォイェニ 1,300 146 ▲1,154
キランガ 120 275 155
サンバライ 2,310 1,262 ▲1,048
ウリショ 1,700 765 ▲935
ムボレレ 600 370 ▲230
リアタ 90 26,900 26,810
ダルエスサラーム 14,345 14,345
合  計 23,460 57,346 33,886

「村主導による植林活動の実施に向けた仕組み作りに着手」
(2009年9月)

 今回の現地調査では、村も村人もTEACAに頼り切った状態の現在の植林活動を、地域の問題として地域全体で取り組む活動へと、如何に転換を図っていくかが大きな課題となっていた。

 そのため、従来はTEACAが主導して作成していた植林計画とその実行を、村の公式な事業計画として実践していくための仕組み作りに取り組んだ。そのためには村の評議委員会で審議採択される必要があり、TEACAとまず評議委員との打ち合わせを重ねた。その上で全村人参加による村会議にこれを通し、2カ村で村の公式な取り組みとして可決させることができた。いったん全村会議で可決された事項は、県レベルまで報告が上がるため、村長といえどもこの決定を覆すことはできなくなる。

その後、調査終了前には両村より植林計画を提出してもらい、これに沿ってTEACAと育苗計画を立案してきた。

 今後は村による植林日程計画、動員計画などの立案フォローおよび確実な実施に向けたフォローが重要となってくる。

「大雨期植林始まる」(2009年5月)

オールドモシの植林現場に集まってきた村人たち

今年のタンザニアでは、大雨期の降雨が安定していない。キリマンジャロ山麓では例年3月に大雨期の訪れを告げる雨が降り始めるが、昨年末の小雨期(11月~12月)以来、カラカラの状態が続いていた。

急斜面の植林地に苗木を運ぶ

4月に入り、山中ではようやく雨期らしい雨が降り始めたが、それなりに降っているのは山の中だけで、周りに広がる低地平原では今もほとんど降っていない。

植林にあたって当基金との協力による植林であること掲げられた

キリマンジャロ山麓を拠点とする各苗畑では、ようやく降り始めた雨を受けて、一斉に大雨期植林が開始された。とくにTEACA10年計画で重点植林地に挙げたオールドモシの尾根では、村の主導により4/22~5/15の期間中に8日間の日程が各住民に割り当てられ、植林が実施された。樹種及び本数の実績はまだ報告があがってきていないが(計画=6樹種、計4,450本)、一部種子調達のできなかった樹種があるため、4,000本程度の実績になると思われる。

タンザニア活動状況(2009年3月)

タンザニア・キリマンジャロ植林ワークキャンプ開催

今年も2月11日~3月6日にかけて24日間の日程で、キリマンジャロ山の東南山麓にあるテマ村(標高約1,600m)において、植林ワークキャンプを開催した。参加者17名(男性2名、女性15名)。

植林地はテマ村一帯の重要な水源の一角であり、また村人たちが2000年から植林に取り組んでいるレカラ植林地(約6ha)。ここでこれまでに植林を実施した場所の下草刈り及び捕植作業、さらに新規エリアへの拡大植林を実施した。

植林した樹種は、キリマンジャロ山の原生種であるマカランガ・キリマンジャリカを310本、土壌水分をよく保持するグレビレア・ロブスタを622本、この地域では活着率が最も高いピナス・パトゥラを40本、水源近くにカップレサス・ルシタニカを130本の計4樹種1,102本であった。このほか、オリモ小学校にターミナリア・スペバ2本の記念植樹を行った。

ここ数年の傾向として、地域の中学校も植林に加わるようになってきており、ワークキャンプによる地域への植林活動普及に対するインパクトとして評価できる。期間中に参加した村人及び学生、子どもたちの延べ人数は、472名であった。

裁縫教室、09年度新入生を迎える

TEACA裁縫教室では、この1月に09年度の新入生(=第5期生)9名を迎えた。この新1年生に、2年生(=第4期生)12名を加えた計21名が、現在裁縫教室で学んでいる生徒数となる。

また昨年11月末には、第3期生3名が晴れて卒業した。但し、もともと第3期生は計15名おり、2年間のコースを最後まで無事終えた生徒は全体の20%のみということになる。途中で脱落した生徒12名のうち、その理由が確認できたのは3名で、以下の通りである。

  •  ・町に裁縫の職を得られたため    (2名)
  •  ・子どもができたため        (1名)

卒業した3名は昨年末に国家試験を受ける予定であったが、全体での受験者数が多かったため、この5月に受験することとなった。

現在2年生である第4期生も、もともとは23名おり、入学後1年を経った現在の脱落者数11名、脱落率は48%と、ほぼ半数までに減っている。その理由が確認できたのは、以下の7名である。

  • 村で裁縫の仕事を始めた      (1名)
  • 中学校に進学の機会を得られた   (3名)
  • 母親が病気になり、やむなく退学  (1名)
  • 引っ越して別の裁縫教室に通い始めた(1名)
  • 結婚した             (1名)

第3期生、4期生の脱落理由(合計で)のうち、裁縫教室に通ったことで、何らかの形で職を得られたことから辞めた者が30%、更に中学進学の機会を得た者が30%。このことから、たとえ技術が未熟な状態でも、収入の機会が得られると判断した場合は、生徒はすぐにそちらの道を選ぶこと、また、当然ながら進学の機会が得られれば、躊躇なく進学の道を選ぶことが分かる。これらは現地の限られた収入機会、進学機会を考えれば、当然の選択といえる。

そのほか、結婚した、子どもができた、母親の病気など、裁縫教室を辞めざるを得ない理由が30%を占めている。この部分は、現状では救いようがない。

脱落のケースについては、全員のモニターが出来ているわけではないので、上記の分析が必ずしも全体状況を正しく反映しているとはいえないが、ある程度の状況理解には役立つものと考える。

タンザニア活動状況(2008年4月)

1.大雨期植林始まる

タンザニアでは、3月下旬から6月にかけてが大雨期となる。ほとんどが農民である村人たちにとっては、主食のメイズ(白トウモロコシ)作付けの農繁期であるとともに、植林にとってももっとも重要なシーズンである。

キリマンジャロ山麓でも、5月に入り、村人らによる大雨期植林がいよいよ本格化するとの連絡が入った。実際の植林結果が上がってくるのは1~2ヶ月後になるが、キリマンジャロ山麓各地での、植林の準備状況を速報でご報告する。

今大雨期中の植林計画(キリマンジャロ山麓)
植林地名樹    種 (本数)
キルア・ブンジョーピナスマツ    (500本)
オカメニグレタド・アマリロ(300本)
クワ・ンドゥイアクロカルパス   (20本)、シノブノキ(50本)
村の山道沿いシノブノキ    (300本)、モクマオウ(数量未定)
ナティロ・チラアクロカルパス (20本)、シノブノキ (25本)
オメラシノブノキ  (50本)
カヘボトムブラシ (50本)
マロホロニフラミレ(20本)、マイソピス(60本)、ファイカス(10本)
クワ・ワ・マチャポプラファイカス(数量未定)、ムクンドゥクンドゥ(同左)
テマ中学校ピナスマツ     (50本)、フラミレ(30本)
合  計11樹種 (1,485本+数量未定分)

2.今夏の会長ほか現地訪問について現地に伝える

今夏の当基金会長ほかの視察について現地に一報を入れた。現地では州及び県の関係機関への事前連絡が必要なので、最終的な視察の有無について出来るだけ早く連絡をもらえるようなら助かりますとのことであった。

一方、村人たちは皆さんの到着と事業視察を心待ちにしていますとのことであった。

タンザニア植林ワークキャンプ開催される

今年も2月14日から3月6日の22日間にわたって、「タンザニア植林ワークキャンプ」が開催された。日本から参加した18名の植林ボランティアが、村に滞在しながら、村人たちとともに植林に汗を流した。予想以上の厳しい作業に、参加した誰もが一度失われた森林を回復することの困難さを、身にしみて理解することになった。

水源地を守る

ワークキャンプが開催されたのは、キリマンジャロ山の東南山麓に位置するテマ村(標高1,600m)。ワークキャンプでは、ここで村人が自分たちの生活を守るために20年間にわたって取り組んでいる植林活動にともに取り組む。

今回の植林地は昨年に続き、村より標高にして100mほど山を登った所にある「レカラ」と呼ばれる場所。同地は森林が伐採され裸地化してしまった一方で、テマ村付近では最後に残された有力な水源地となっている。村人たちは水源が枯渇してしまう前に、失われた森林を取り戻そうと植林に取り組みはじめた。

補植から取り組む植林作業

「植林」というと苗木を植えるイメージが思い浮かぶが、実際に村人たちが取り組んでいる「森を取り戻す」ための取り組みでは、むしろ植林後のフォローに長い年月を要する。植えた苗木もすべてが根付くわけではない。とくにキリマンジャロ山麓での植林では、樹種の偏りを避けるため、活着率より樹種の多様性を優先している。このため新規の植林地の場合、初年度の活着率は60%程度が平均値となっている。従ってその後の「補植作業」が、森を取り戻す上で極めて重要となってくる。ワークキャンプでも、新規植林地への植林作業より、村人が何年もかけて取り組んでいるこの補植作業にまず取り組む。

補植作業は植林地を覆い尽くしてしまったブッシュの刈り払い作業から入る。昨年村人らによって2回の刈り払いが実施されているが、予想以上にブッシュの回復力が強く、苗木が完全に負けてしまっている。今回捕植したのは2006年、2007年の植林地であるが、とくに2007年の植林地は活着率約40%で、相当厳しい結果といえる。

木の植え付けは最後の一日

ワークキャンプで取り組む作業は、大きく分けて「ブッシュの刈り払い」、「植え穴堀り」、「苗木の植え付け」の3つに分けられる。今回は計8日間植林作業があったが、苗木の植え付けは最後の一日だけ。それ以外の7日間はすべて「苗木を植えられるようにする」ための作業となる。

日本の参加者からは「植林作業がこんなに大変だとは思わなかった」との声が漏れる。実際、植え穴掘りなどは日本人一人では一個掘るのも大変で、ほとんどの人が村人に手伝ってもらうことになる。現場には毎日9時頃入り、終了は午後2時か2時半であるが、休憩時間や食事の時間を除くと、実質的な作業時間は3時間ちょっと。それでももうクタクタになる。

予想以上のブッシュに苦しめられたこともあり、今回のワークキャンプで植えられたのはグレビレア・ロブスタ581本、アルビジア・シンペリアナ510本、アクロカルパス18本の合計1,109本であった。現地で雨期が本格化するのはこれから。村人たちの植林作業はいまも続けられている。

2004/05年度(2004年7月~2005年6月)
各苗畑グループの実績出揃う

本年度の大雨期(3~5月)は降雨不足に終わった。1月~6月までの総雨量としては、過去10年以上例のない少雨の年となった。 タンザニアでは年度始めは7月から。6月までの2004~2005年度の苗畑グループ9団体の植林実績が出揃った。

裁縫教室開校(2005年7月1日)

TEACA事務所兼ワークセンターはまだ未完成ながら、教室部分の建設と当面必要な機材の調達が整い、当初の予定通り7月1日から裁縫教室が開始された。生徒数11名(少女6名、ママさん5名)。 授業は平日5日間、午前の部は少女を、午後の部はママさんを対象としたコース(ママさん達は家事、農作業が忙しく、受講できる時間が限られているため、少女とは別のコース)を実施している。2年間で1コース修了とする。

タンザニアの学校の新学期は1月に始まる。生徒募集の都合上、学校の新学期にあわせるため、新年度の授業は1月から開始とする。初年度の生徒は1年目の授業内容を12月末までの6ヶ月間で学び終え、1月には2年目の課程を始めなければならないため、通常より早いピッチで授業を進めている。

今後、裁縫教室の運営には、月々の教師の給料や機材、消耗品費などの経費が必要になり、なんらかの収入でまかなっていかなければならない。 現地の同様の教室を参考に、支払い可能な範囲で生徒から授業料を徴収することを検討しているが、生徒の受入可能人数に限りがあるため十分とはいえない。自立運営に向けて課題が多い。

しかし生徒達の裁縫教室への期待は大きい。 裁縫技術の習得によるメリットについて生徒達にインタビューしたところ、比較的時間に余裕がある少女達は「自分で作った服を町やマーケットで売ることが出来る」と、自活を目指した小商いへの期待が強かった。 家事や農作業に追われ時間的余力の少ないママさん達も、「家族の服を作ったりなおしたり出来る」「近所から注文を受けて収入を得ることができ、家計のたしになる」「余力があればマーケットで売ることもできる」と希望を語っていた。

現地調査報告(2005年6月7日~22日)

タンザニアは南半球に位置するため、これから冬に向かう季節。気温は日中でも17℃程度、雨が降ると12℃程度と肌寒い。天気は、6月は雨期の終盤にあたるため、本来なら一日中雨が降り続いているところだが、滞在期間中は、降ってもせいぜい夜半から午前中まで。ここ数年の少雨の傾向が実感された。

テマ村マイデニ地区に計画中のワークセンター(裁縫教室)は、当基金の法人会員である国際ソロプチミスト浜松(有職女性団体)から「タンザニアの女性達の自活支援、生活改善のためにご支援したいが、なにかできないでしょうか?」との相談を受け、当基金と協力して昨年末、開設計画がたてられた。小学校卒業後、進学の途が断たれた女子児童やその他の女性たちが、裁縫技術の修得により、自活する能力を身につけてもらうことが目的。家庭を持つ女性達が現金収入を得られるようになることで生活環境も良くなることが期待できる。7月に開校を予定している。

また、以前より、TEACAのリーダーから、本部事務所建設の要望がきており、今回のワークセンターにも教室が必要になることから、TEACA事務所兼ワークセンターとなる建物の建設を、あわせて計画した。(今まではオリモ小学校の職員室を間借りして活動。小学校側の事情により今後、使用できなくなるとのこと)

タンザニア教育事情

タンザニアの公用語はスワヒリ語と英語ですが、日常生活ではほとんどの人がスワヒリ語を使っています。英語を使う人はほとんどいません。小学校では英語の授業がありますが、中学校になると授業が全部、英語で行われるようになります。生徒達は辞書も、教科書さえも自分で持っておらず、学校で借りているので家に持ってかえって勉強することができません。家に帰ると家事の手伝いなどで忙しく、夜になれば電気が通っていなくて真っ暗という家庭がほとんどです。小学校では成績が悪いと進級できません。当然、進級ができずに小学校を中退する子、また、中学校へ進学できても英語での授業についていけなくなり、退学してしまう生徒がたくさんいます。

また、中学校は数が少なく、遠隔地にあることが多いので家から通えず、寮に入らなければいけません。家計にとってはとても大きな負担となるため、進学できる生徒は限られてしまいます。

調査の目的

  1. ワークセンター(裁縫教室)開設事業の進行状況の確認、事業立ち上げフォロー。
  2. キリマンジャロ山麓テマ村及びキディア村(オールドモシ地区)における植林実績、現状の確認。

調査結果

ワークセンター:事務所建設工事

  • TEACA事務所を裁縫教室としても使用できるよう、4部屋+1物置の建物の建設を進めている。土地はすべて村人からの提供による。その他、寄付、資材、労働力の協力を村人から受けている。4月から工事を開始し、調査時までに壁、屋根、トイレの一部まで工事が進んでいた。
  • 7月の開校までに完成は間に合わないと判断。教室用となる1部屋だけでも先に完成するように工事を進めることを指示する(植林資金まで建設費に回されないよう配慮)。
  • 教室用の部屋が完成するまでは、建物の通路となる場所で教室を開始することにする。

ワークセンター:開校準備

機材調達
授業に必要な機材の調達の進行状況を確認。調査時点までにミシン(足踏式・電動式)・机・イス・裁縫鋏・機械油・糸・テープメジャーを購入完了。
今後、購入が必要な機材は、編み機・棚・アイロン・黒板・型紙・布。
教師の確保
公募をかけ、3人の応募があった。そのうちの一人、ステラ・ガドソン・マエダさんを採用決定。彼女には3年間の裁縫教室指導経験があり、技術的にも信頼がおけると判断。本人との面談の上、採用条件についても合意を得た。
夜警の確保
ミシン等機材の夜間の盗難防止のため、夜警の雇用が必須。調査時点では採用条件、手当の見積もりの概略を決めるにとどまった。
生徒の募集
主に小学校卒業後、進学の途を断たれた女子児童、その他女性を対象とする。
募集人数は20人程度。平日5日間、午前の部・午後の部に分けて3、4時間ずつ指導。期間は2年間とし、初年度でミシンの基本操作の修得、簡単なスカート等が作れるようにし、2年目には手の込んだ服装やセーター等の編み物を作れるようにする。また、生徒が植林活動など、TEACAが行っている環境面の取り組みにも参加できるようにする。
近隣の小学校、公共機関、教会、店などにチラシを配布し、生徒募集を呼びかける。

ワークセンター:今後の課題

  • 現地で小学生が卒業するのは12月。こちらからの要望で7月開校としたが、今後、生徒の募集を効率よく行うためには10月頃から募集を始め、1月からの1年間をベースにカリキュラムを組む必要がある。
  • 家庭を持った女性たちは、縫製技術習得への意欲は強いが、日々の農作業、家事、育児に追われており、毎日、長時間、教室に通うことは難しい。今後、こうした女性たちも参加できるような、日常生活に配慮したカリキュラムを考えなければならばい。
  • ワークセンターの運営には、教師、夜警の給与、消耗品費が毎月発生する。基金からも新たな支援が必要になるかもしれないが、現地の相場を考えて若干低めに設定した上で、授業料の徴収も考えにいれた方が良いように思われる。

植林地調査

  • キリマンジャロ山麓においてこれまで取り組んできた植林の最新の経過状況、成果を調べるため、各植林地の踏査調査を実施した。調査対象はTEACAと村人たちが1994年から2005年にかけて植林に取り組んできた計8ヵ所の植林地。
  • 今回の調査対象地のうち、一番古いムレマ植林地(1994年植林)。植えられている Casuarina montana と Pinus patula は、樹高が20メートルを越え、一帯は森の様相を呈しつつある。TEACAによるこれまでの植林の中でも、同植林地は最も成功した植林地といえる。
  • 1999年に植林されたムシンガ植林地。整然と植えられた Grevillea robstaが樹高10メートル近くまで育ち、活着率も90%以上を維持している。1ヘクタールほどのかつての裸地が林のような景観を取り戻しつつある。数年内にはムレマ植林地に続き、間伐が必要になると思われる。
  • 1995年に植林されたキタンガラ植林地、1999年に植林されたオサレ植林地の一部は、土壌条件や土砂崩れの影響などで、状況が芳しくない。 TEACAによる継続的な補植が行われており、確実に森林を回復させていく計画である。
  • ワークキャンプの時にも植林をしたレカラ植林地、レカラ・マムンダ植林地。活着率にムラが出やすい地域だが、毎年、欠かさず補植を重ねており、植林地全体での活着率は60%台となっている。

4月の降雨、不振に終わる(2005年4月)

現地では3月~5月、12月~1月頃が雨期にあたり比較的雨の多い時期で、3月~5月は大雨期、12月~1月は小雨期と呼ばれている。

4月はその大雨期の中核をなす月だが、今年は年明けから4月までの累計で見る限り不振であり、2003年からの3年連続大雨期の降雨不足の様相を呈しつつある。

高標高地はまだしも、低標高地での植林活動への影響は必至で、特に水道の通っていない地域の苗畑グループでは今期の植林は厳しい状況。今期用に育成してある苗木が育ちすぎれば、結局、植林には使用できなくなってしまうので、植林は実施すると思われるが、最終的に活着率に影響が出ると思われる。

新規給水パイプラインの敷設完了(2004年12月)

当基金では、1994年にキリマンジャロ山麓、TEACAの中心的活動地域であるテマ村に、延長3.3kmの給水パイプラインを敷設し、植林や地域住民の生活に役立てています。

この12月、やはり水源の枯渇している隣村のテラ村まで、総延長8kmの給水パイプラインを敷設しました。

キリマンジャロ山麓の村では、森林の減少とともに伝統水路の枯渇がみられ、テラ村でも、30年ほど前までは豊かな水量で村人の生活を支えていた湧き水が、今では心細げに細い筋となって流れているだけとなってしまっています。

今回敷設されたパイプラインによって、約600人のテラ村の村人たちが、毎日の生活に必要となる十分な量の水を得ることが出来ます。

このパイプラインの敷設によって、樹木への灌水用や生活用水の確保のほか、清潔な飲料水を利用できることで病気の低減につながると期待されます。 また、水源地保全への意欲が高まり、村人たちの植林活動への新規参加に結びついています。

 

タンザニア・キリマンジャロ植林ワークキャンプ開催
(2005年2月9日~3月2日)

当基金では2月9日~3月2日にかけて22日間の日程で、タンザニア・キリマンジャロ山麓、テマ村において植林ワークキャンプを開催しました。(タンザニア・ポレポレクラブとの共催) 参加者は男性12名(うち引率1名)、女性14名の計26名。

植林地は村の水源にあたるエリアで、面積約6ha。 森林伐採後20年以上にわたり裸地のまま放置されてきた土地ですが、水源地保護のため、テマ村の村人たちは2000年から植林に取り組んでいます。

作業は植林地に繁茂したブッシュの刈り払いから始まり、植え穴掘り、植林、灌水と進められます。 刈り払い作業はナタ、植え穴掘りはクワを使って行います。 どちらも地元で使われている道具を使いますが、日本製のものに比べ重く、切れ味もよくありません。 きびしい日射の中、普段使い慣れない道具を使っての作業とあって、なかなかハード。

今回のワークキャンプでは全行程のうち丸8日間植林を行い、私たち日本人ボランティア一行と村人、のべ約600人が植林に参加。4樹種、計1,143本の苗木が植えられました。

ワークキャンプ日程
2/9~/10羽田空港集合出発→関西空港→ドバイ空港→タンザニア・ダルエスサラーム空港着
2/11ダルエスサラーム→コログウェ→キリマンジャロ麓の町、モシ着
2/12~/13モシで終日自由行動
2/14モシ→キリマンジャロ山麓テマ村オリモ着、宿泊施設の設営、活動内容についての説明会
2/15~/18終日植林
2/19~/21手工芸品ワークショップ、村人の家にホームステイ、コーヒー畑見学
2/22~/25終日植林
2/26片付け、村人とのお別れ会、オリモ→モシ
2/27モシ→コログウェ→バガモヨ
2/28バガモヨで自由行動、タンザニアの伝統民族舞踏鑑賞
3/1バガモヨ→マコンデ村→ダルエスサラーム空港発→
3/2→ドバイ空港→関西空港→羽田空港着 解散

2003年度(2003年7月1日~2004年6月30日)の植林活動

タンザニアでは、ここ2年ほど雨期に十分な量の雨が降りませんでした。 植林地のあるキリマンジャロ山麓でも、少雨により育苗や植林活動が影響を受け、植林本数が減少しました。

※タンザニアは3月~5月、12月~1月頃が雨期にあたり、他の時期よりは比較的雨が多く降ります。乾燥した土地なので、苗木が根付きやすいように雨期にのみ植林を行いますが、その時期に雨が降らないと植林できません。

育苗は、植林時期までにちょうど良い大きさに育つように計画して行われるため、雨期に雨が降らず、植林できずに時期をのがすと、苗木が育ちすぎて植林には使えなくなってしまう場合があります。

・TEACA本部があるテマ村では、植林がかなり進んで完了に近づいているため、植林本数を減らしています。

・組織内に問題が発生したグループでは、育苗があまりできず、植林本数等が計画より大幅に落ち込みました。

昨年度のネットワーク全体の植林活動は、下記のとおりです。

2003年度植林実績(苗木本数)
(2003年7月1日~2004年6月30日)
育苗計画育苗結果
188,738197,315
育苗計画内訳
植林住民への配布販売枯死苗畑の残り
30,71064,34325,5196,96969,774

※販売は、育苗所で栽培し、一般市民に販売した苗木の本数です。売上金を植林費用の一部にあて、植林活動の経済的自立を目指して行っています。

※住民への配布は、地域住民に自分の土地に植林してもらうためにタダで配布した苗木の本数です。

タンザニア現地調査報告(2003年1月23日~2月3日)

オカメニ・サイト

2002年1月の植林風景

2002年1月の植林風景 オカメニ・サイトは、テマ村にある私有地です。私有地への植林は、土地がらみの問題から、難しい面がありました。

オカメニ・サイトでは、土地所有者を調べて地図を作り、所有者から樹種・本数の希望を聞いて、それに沿って木を植えます。植林は村人たちの手で行います。

所有者は、タンザニア植林行動協会(TEACA)との間で、植林後の管理は土地所有者が行い、植えた木は勝手に切らない、などの取り決めを交わしています。今のところこの方法はうまくいっています。

2003年1月、同じ場所で撮影

2003年1月、同じ場所で撮影 1年後、植林したGrevillea robusta(ヤマモガシ科ハゴロモノキ:写真の赤丸印)の生育は良好でした。

他に4種類植えましたが、Cupressus lusitanica(ヒノキ科グレタドアマリロ)はほとんど枯れてしまいました。

大変乾燥した土地なので、大雨期(3月から6月)のときしか植林していません。

水源涵養とともに、付近の住民や他の土地所有者に対するデモンストレーションとしての役割も期待しています。

給水パイプライン

マコレ・スプリングにある水の取り入れ口
(2003年1月撮影)

新パイプライン建設予定地の終点オドイ
(2003年1月撮影)

1994年に全長3.3kmの給水パイプライン工事を支援しました。2002年11月、そのパイプラインの補強・拡充工事が完了しました。

タンザニア環境行動協会(TEACA)本部のあるテマ村オリモから、更に山を登り、マコレ・スプリングという場所までパイプを伸ばしました。沢水が2本合流した地点に水の取り入れ口を設け、清潔で十分な水量を得ることができるようになりました。

2005年までには、オリモからパイプを枝分かれさせて山を下り、オドイという場所まで、全長約4kmの給水パイプラインを建設する予定です。

パイプライン予定地を、村人とともにたどって歩きました。

テマ村のあたりでは、水道がほとんど整備されておらず、下水道はありません。汚水は垂れ流しにされ、水は下流にいくほど汚染されます。しかし村人は、植林や生活用水にそれを使用するしかありません。しかも、細い水路は乾期には枯れてしまいます。

給水パイプを増設し、村人による植林をはじめ生活改善にも役立つよう努力しています。

改良かまど(エンザロ式かまど)

右の写真は、村で伝統的に使用されている、地面に三つの石を置いただけのかまどです。

調理に多くの薪が必要でした。また、薪を集めにいく労働力も大きなものでした。


そこで、薪炭材の削減と薪集めの労働力の軽減、効率の良い調理のため、現地で改良かまどを広める活動を行っています。

三つの鍋が同時に調理できるので、時間が大幅に短縮できます。また、薪の量は半分以下ですみます。

村の女性は、使ってみてとても良いと言っていました。