近況報告

当基金では、1992年度から、現地NGOのタンザニア環境行動協会 TEACA(Tanzania Environment Action Association)と協力し、タンザニアキリマンジャロ山麓・山腹で植林を行っています。

TEACAが中心となって活動している植林ネットワークには、さまざまな地区で活動する10グループが加盟し、各グループごとに育苗所を設けて管理し、植林を行っています。

現地報告(2016年6月)

タンザニア、キリマンジャロ山での大雨季植林実施される

タンザニアのキリマンジャロ山麓では4月から始まった大雨季にあわせ、当基金のカウンターパートであるTEACA(タンザニア植林行動協会)が中心となって、地域住民らによる植林が実施されています。

この大雨季の植林では、国立公園内での植林が再開されたことが大きなトピックとなっています。タンザニア政府はキリマンジャロ山で続く森林減少に対し、国立公園を森林帯全体に拡大することにより、そこをアンタッチャブルな聖域として守る政策を実行しました。しかし国立公園内での植林の再開は、当基金の実施するモデル造林事業を始め、住民参加による森林保全なくして森を守ることは出来ないとの認識に政府が至ったことを示したものです。

これはこれまでの当基金やTEACAによる地道な働きかけが成果として現れはじめたもので、今後さらに政府、地域住民の間をつなぎ、住民参加型による森林の地域管理を確実なものとしていく必要があります。そのためにはこれまでややもするとトップダウンで実行されていた森林管理を、ボトムアップによるまったく新たなパラダイムで組み直す必要があり、官民の協業体制の構築に向けて、さらに息の長い地道な取組が必要とされています。


キリマンジャロ山での植林に集まってきた村人達

現地報告(2016年4月)

裁縫教室で政府査察受け入れ

政府の公認校登録を目指しているTEACA(タンザニア植林行動協会)の裁縫教室は、2月末に登録に向けた政府調査官による査察を受け入れました。

査察では、① 各教場や設備室等の床面積、②設備・備品の装備数、③教材・カリキュラム内容、④教師の学歴・資格状況、⑤スタッフの陣容、⑥裁縫教室運営体制・組織体制、⑦運営方針と今後のビジョンといった多面的な調査が行われました。

TEACAのリーダーや裁縫教室教師への聴き取り、合同での話し合いなど、一日がかりでの査察となりました。

調査結果は政府の認定機関であるタンザニア北部地域委員会で結果が評価、査定されたあと、首都ダルエスサラームにある委員会本部でタンザニア全土で政府登録を目指しているその他の学校とともに諮問され、そこで最終決定がされます。結論が出るのは7月頃の予定ですが、査察官によれば、それよりも早く4月中には評価結果自体は報告できるだろうとのことでした。


政府査察官によるTEACAへ聴き取り調査の模様

現地報告(2015年10月)

TEACAへの新規車両支援

タンザニア・モデル叢林事業では、現地協力先であるTEACA(タンザニア環境行動協会)がキリマンジャロ山の各地で環境グループや学校などを支援し、広範なエリアで植林に取り組んでいます。そのためにそれらのエリアをカバーするための車両が欠かせません。TEACAはほぼ毎日車を運用し、各地のグループ等の指導に当たっていますが、一方でキリマンジャロ山の道は一部の幹線道路を除けば未舗装の急峻な悪路で、雨季には四輪駆動車でも登らなくなるほどひどい状態になります。車にはかなり過酷な環境だといえます。

こうした中でTEACAが現在使用している車両の傷みがかなり激しくなり、現場での活動に大幅な支障が出るようになっていました。修理を重ねながら何とか運用を続けてきましたが、それも限界となったため、当基金はTEACAに後継車両の支援を実施しました(写真)。

支援したのはこれまでと同じランドクルーザーで、現地の過酷な環境にもっとも適した屈強な車両だといえます。現地では9月から支援している全てのグループや学校で来年の大雨季植林に向けた育苗準備が一斉に始まります。今回支援した車両は、さっそく各グループ等への育苗資材供給等で活躍することになり、重要なタイミングに間に合わせることができたと安堵しています。


TEACAに新たに支援したランドクルーザー

国立公園での植林実施

この8月19日は国連開発計画(UNDP)の創設70周年にあたり、これに合わせてタンザニアでもUNDPによる記念事業(キリマンジャロ山での記念植林)が実施されました。UNDP、キリマンジャロ州政府からの信任のあついTEACAは、両者からの依頼を受け、この植林のアレンジと実行を一手に担うことになりました。

植林を実施したのはキリマンジャロ山の国立公園内で、この植林には当初タンザニアの副大統領が参加する予定になっていましたが、結局参加は叶いませんでした。しかしEUやアフリカ数カ国からの大使など、総勢70名の来賓に2村から237名の村人や生徒達が参加し、約700本の苗木が植えられました。村人たちによってその後も植林は継続され、植林総数は2,110本になりました(植林樹種はすべて原生種でクロトン・マクロスタチス、マカランガ・キリマンジャリカ、マルカメア・ルテア、オレア・カペンシス、シジギウム・グイネンス、トリチリア・エメティカの6樹種)。

今回の植林は、UNDPの設立70周年を記念して実施された。

各国大使らによる植林の模様

植林最後の記念写真

裁縫教室新体制に

4月下旬に有資格の新任教師(サロメ・ムセンギさん)を迎えたTEACAの裁縫教室では、政府認定校への再登録を目指して教師3名による新体制での運用が開始されています。再登録のためにはカリキュラムの大幅な改変が必要となっており、従来の縫製、刺繍、編み物に加えて、あらたに英語、職業技術、家庭科を導入することを決めました。

ムセンギ先生はとても優秀で、すでに従来の先生2名の先頭に立って裁縫教室を引っ張っていました。TEACAも彼女にはたいへん期待しており、今後が楽しみです。

再登録には新カリキュラムを軌道に乗せたうえで、政府職業訓練校による審査、査察調査等を経る必要があり、結果が出るまでに半年から1年程度かかる見込みです。


裁縫教室で教えるサロメ先生

現地報告(2015年6月)

タンザニア、TEACA裁縫教室に有資格教師赴任

TEACA(タンザニア環境行動協会)の裁縫教室は、家庭の事情等さまざまな理由で中学校に進学することができなかった女の子たちを対象に運営しています。

そしてこの卒業生達の就業機会の向上に大きく貢献してきたのが、卒業時に受験していた国家資格試験でした。資格の有無は雇用の判断を大きく左右することになりますが、TEACA裁縫教室の生徒たちはほぼ100%国家試験に合格していました。

ところがタンザニア政府が受験制度を変えたことから、TEACAのような民間の裁縫教室で学んだ者には受験が認められなくなってしまいました。TEACAの裁縫教室は受験可能校として政府に認定されていたのですが、この制度変更によりすべての認定校が資格を失い、新制度の下で再度公認校としての登録が必要となったのです。再度公認校となるためには、カリキュラムの変更や機材の整備・拡充のほか、準教員免許および国家技術資格を持ち、さらに数年の指導経験のある教師を配置することが義務とされました。

しかしこうした有能な教師は、不便のない町や都会で高い収入を実現するためにこそ資格を得るのであり、山奥の村に来たがる者はいません。国の制度変更はTEACAのような山村部の裁縫教室には非常に高いハードルを課したといえます。

この4月にようやく新たな有資格者教師が決まりました。新教師の名前はサロメ・ムセンギさん。当基金ではまだ直接ご本人にお会いしていませんが、TEACAから送られてきた写真を見る限りとてもにこやかで優しそうな先生だと感じています。TEACAからも「とても優秀な先生だ」との知らせが入っており、今後の活躍に向けて大いに期待しているところです。


写真キャプション: TEACA裁縫教室に新しく赴任したサロメ・ムセンギ先生(写真中央)

現地報告(2014年10月)

タンザニア、広域での植林体制の構築を目指す

当基金ではこれまで現地協力相手であるTEACA(タンザニア環境行動協会)と協力し、キリマンジャロ山東南山麓に位置するテマ村においてその組織固めに取り組むとともに、地域住民と力を合わせて植林を進めてきました。

しかしキリマンジャロ山の森林は、個別の村がその直上の森の保護やその回復だけを考えて取り組めば良いという状況ではなくなっています。山全体で進んでしまった森林荒廃のこれ以上の進行を防ごうと、タンザニア政府が地域住民を森林資源の利用から切り離す措置をとったためです(国立公園化)。

そのため、従来のように個々の村ではなく、森林を取り巻く村々を繋ぎ、森林を一体のものとして保全しまた回復していくため、40カ村の首長を集め、新たな施策とそれに基づく各村の規則の見直しに着手することで合意しました。また広域での植林をカバー出来るよう、これまでキリマンジャロ山の東側斜面に集中していた育苗所を、南側斜面にも展開していくことにしました。


キリマンジャロ山東山麓村の苗畑

植林地の様子(植林後1~3年)

地域連携に対するセミナーの模様

森林管理セミナーの模様

指導者を集めた森林管理セミナーの模様

裁縫教室・政府認定校へのハードル

 

TEACAの運営する裁縫教室の政府認定校化を如何に目指すか重要な課題となっています。

 

政府認定校にはカテゴリーA~Dまであり、当初このうちもっともハードルの低いカテゴリーDでの認定を目指す考えでしたが、カテゴリーDでは国家試験受験資格が得られない、卒業時にも認定校の修了証が発行されないといった問題があることが分かり、これでは認定校を目指す意味がないとの判断に至りました。

 

そこで受験資格も得られ、認定校の修了証も発行されるカテゴリーCを目指すことにしましたが、そこでネックになるのが同カテゴリーの前提となっている国家技術資格及び所定の指導教員資格を持つ有資格教師の配置です。

 

この問題をクリアするために、有資格教師の雇用はするが期間限定とし、そのうえで当該教師には現在のTEACA裁縫教室教師の指導にあたってもらうという方法を探ることにしています。TEACA裁縫教室は指導環境、設備面での規定はクリアしており、有資格教師を配置すれば認定校となることができます。従って有資格教師にはまず現行教師を指導して貰い、その後現行教師が国家試験を受験、合格すれば現行教師をそのまま有資格教師として迎えるというプロセスを踏むことになります。この場合、財政的な問題をある程度緩和することが可能になります。


TEACAの裁縫教室で学ぶ生徒たち

現地報告(2014年4月)

植林ボランティア・ワークキャンプを実施

タンザニア植林ボランティア・ワークキャンプが平成26年2月28日から3月14日までの15日間行われた。

平成25年夏に現地事前調査を実施し、開催場所を従来のキリマンジャロ東南山麓テマ村から、新たに東山麓のロレ・マレラ村に移して実施したが、参加人数は3名と少なかった。さらに日程後半にンゴロ・ンゴロ及びセレンゲティの両国立公園(双方とも世界遺産)を組み込んで実施した。

植林では4千本の原生種苗木を305名の村人たちと共に植えたが(詳細下表)、この植林は地元メディアにおいても連日取り上げられ、森林保全における地域とその住民たちの能力を大きくアピールする機会となった。

植林場所
(ロレ・マレラ村)
植林樹種 植林実績 参加人数
本数 ha
ムティロ川沿い Croton Macrostachys 136
Ficus Thonningii 197
Macaranga Kilimandscharica 625
Olea Capensis 1,575
Rauvolvia Caffra 117
Syzygium Guineense 380
Tabernaemontana Pachysiphon 180
Xymalos Monospora 260
合   計 3,470 2.2 218 人
キシイェニ
境界沿い
Croton Macrostachys 25
Macaranga Kilimandscharica 175
Croton Megalocapus 1,400
Olea Capensis 25
Syzygium Guineense 226
Xymalos Monospora 40
合   計 530 0.3 87 人
総   合   計 4,000 2.5 305 人

現地報告(2013年10月)

確実に根付く国立公園内での住民主導による植林活動

タンザニアのキリマンジャロ山では、3月から6月にかけての大雨季に、各村での植林が一斉に取り組まれました。植林に取り組んだのはテマ村、キディア村、モヲ村、マヌ村、ルワ村、ムシリ村、ロレ・マレラ村の計7カ村で、これらの村は、キリマンジャロ山の南山麓から東山麓にかけて、山の外周に沿って約35キロほどの範囲に存在しています。

これら7カ村のうち、とくにルワ村、ムシリ村、ロレ・マレラ村の3村は、キリマンジャロ国立公園内で取り組まれている住民主導植林の主力事業地になっており、ルワ村、ロレ・マレラ村が今年で3年目、ムシリ村が2年目になります。苗木の活着状況は植林地によっても異なりますが、何よりの変化は、まず住民たち自身の「自分たちで森を守る」ことに対する、より前向きな意識への変化(自負)と、州及び県レベルの地方行政サイドにおける「地域の持つポテンシャルへの再認識」にあるといえるでしょう。


ルワ村の植林地で順調に育つ苗木

現地報告(2013年5月)

キリマンジャロ山での大雨季植林始まる

タンザニアのキリマンジャロ山麓では、4月から始まった大雨季にあわせ、各村での植林活動が始まった。

大雨季植林の先陣を切ったのは、モシ県キレマ郡にあるルワ村。この村では、村の上部標高約1,800mに広がる広大な裸地での植林に取り組んでいるが、すでに2月から雑木の刈払いをするなど、植林の準備を進めていた。植林用の苗木は村にある教会が苗畑用の敷地を提供し、育苗は村の女性と中学校の生徒たちが分担して担当、そして植林は約120人の村人たちによって取り組まれた。植えられたのは4樹種1,046本である。ただしこれはあくまで第一次植林であり、村ではこの大雨季の間に9樹種合計4,420本の植林に取り組む計画である。

現地からはまだルワ村の植林データしか届いていないが、キリマンジャロ山全体での大雨季植林では、合計21,000本の植林を計画している。もっとも降雨不足による育苗段階での発芽不良や苗木の枯れ死等から、最終的には計画比80%程度の達成度になるものと考えている。

樹    種 本数
Acrocarpus fraxinifolius(マメ科) 250
Casuarina Junghuhniana(モクマオウ科) 46
Grevillea Robusta(ヤマモガシ科) 600
Trema Orientalis(ニレ科) 150
合  計 1,046

モコ村内の小規模苗畑グループの苗畑
大雨季に向けて順調に苗木が育っている。

現地報告(2013年1月)

地域主導による植林、3村で1万2,300本

国立公園内における地域主導植林について、2012年度は前年度に引き続き、キリマンジャロ山の東南部にあるルワ村及び東部にあるロレ・マレラ村(両村とも標高約1,700メートル)と、さらに新たに両村の間にあるムシリ村を加えた3村で実施した。それぞれの村での植林実績は、ルワ村が9樹種5,750本、ロレ・マレラ村が5樹種4,500本、ムシリ村が7樹種2,050本であった。

この植林にはキリマンジャロ州知事、モシ県知事も参加した。国立公園拡張の本質が地域住民の排除にあるのに対し、昨年に続く地域住民主導による植林活動に、行政の首長が参加することは、地域による取り組みを行政サイドが認める流れを強化・補強するものといえる。地域住民の参加なしに森林の保全を図ることは出来ないとの認識は、行政レベルで確実に認識されつつある。

キリマンジャロ山の裸地化した国立公園内で、地域住民たちによって取り組まれた植林の現場。

現地報告(2013年1月)

地域協議会、今後の森林管理の在り方について話し合う

「地域協議会」については、2012年度は、国立公園に沿って存在する36村の村長ら村の指導者が一堂に会したセミナーを実施した。同セミナーは、ボトムアップによる新たな森林管理の仕組み作りのためには、タンザニアの環境関連法令について十分な知識を得ておく必要があることから、環境法令の専門家を講師に招き、2日間にわたって実施したものである。法令は様々な遵守事項や指針を規程すると同時に、地域や地域住民に認められた権利をも明確に定めるものであり、セミナーを通して得られた知見は、今後の森林管理の仕組み作りの中で、十分に活かされていくことになるだろう。

TEACAと地域住民たちによる、新たな森林管理の仕組み作りに向けた話し合いの模様。

現地調査報告(2011年10月)

今年度の植林計画出揃う

タンザニアにおける今年度(2011年7月~2012年6月)の各村、各苗畑グループの育苗・植林計画が出揃った。今年度計画は、昨年度成功した国立公園内での大規模植林を引き続き実施すること(=第二次植林)及びテマ村での植林強化などから、全体での育苗規模は、前年度実績比倍増の+56.6%の大幅増の計画となっている(下表1)。

 また、活動の低迷から苗畑を閉鎖していたオリモ小学校に新校長が赴任し、苗畑再開への希望が出されていることから、これを再開する。さらに、前年度はTEACAから植林用苗木の全数供給を行ったルワ村、ロレ・マレラ村の2カ村については、段階を踏んで、徐々に自前での植林用苗木の調達能力を整備していくこととし、今年度新規苗畑を立ち上げる。今年度は、それぞれの村で必要な苗木の半数を育苗し、残りは前年同様、TEACAから供給を行う。


【表1】
単位:本
年 度 植  林 配  付 販  売 合  計
 今 年 度 36,650 1,200 10,250 48,100
前 年 度 24,610 2,720 3,396 30,726
前年度比(%) 148.9 44.1 301.8 156.6

裁縫教室、前年度国家試験の結果出る


国家資格認定書が渡される

2010年度に国家技術資格認定試験を受験した、裁縫教室生徒7名の試験結果がこのたび発表された。資格試験は難易度の高い順からグレード1、2、3に分かれて実施され、裁縫教室の生徒たちはグレード3を受験している。どのグレードも、筆記、技術試験の双方で「D」判定以上の成績を収めないと、合格できない。

試験結果は、受験した7名全員が合格ではあったが、成績の内訳を見てみると、筆記、技術試験とも、ほとんどの生徒がギリギリの「D」判定であった。その年の生徒の質による部分もあり、また国家試験に合格することを第一目標として取り組んでいるので、全員合格の結果を良しとして受け止めることも出来るが、さらなる成績の向上を目指して、何らかの対策を打っていく必要があるかもしれない。今後の課題となってくるだろう。

現地調査報告(2011年3月)

 3月5日から3月25日にかけて、4月から本格化する大雨季植林の各村における実施計画立案及び準備推進を主目的として、タンザニアでの現地渡航調査を行った。
 今大雨季の植林は、現在進めている「多地域間協力」のもとに実現、実施することを最大の狙いとしている。そこでその実現ために、キリマンジャロ山の森林保護区境界に沿って存在する20を超える村々、当該地域で活動するローカルNGO、教会等の組織・団体を集め、大雨季植林に関する会議を開催した。
 会議では冒頭にまず、キリマンジャロ山の森林を守るためには、個々の村あるいはNGO等が各個バラバラに活動に取り組んでいては、もはや同山の森林も人々の生活も守れない状況となっていることを、全体概況として説明を行った。その上で、同山の森林管理、保全活動において、地域連合による横断的取り組みを可能とするための体制整備と、その仕組み作りについて、具体的検討を行った。
  その結果、他地域参加によるものとしては初となる大規模植林を、4月からキリマンジャロ東南山麓の標高約1,700mにあるルワ村を主力地として実施することが決定された。植林は同村に隣接する森林保護区内に広がる、裸地化した荒廃地において実施するものとし、植林規模は1万本以上を目指す。作業は10日間程度毎日続けて取り組まれ、各日の参加者は100名を下らない見通しである。従って植林に参加する述べ人数は1,000人を超えることになる。
 大雨季植林はルワ村以外にも5村以上で順次開始し、植林合計数は2万本を上回る見込みである。
 このほか、今回の調査では、既植林地の手入れ作業(=適正な森林として再生させていくための育林作業)にも、村人たちと共に取り組んできた。植林地は条件にもよるが、植林後に灌木類(=ブッシュ)や雑草などが繁茂し、植林した苗木を覆い尽くしてしまう。木を枯らさないためには、これらの刈り払い作業に、植林後も5年程度は毎年続けて取り組んでいく必要がある。
 今回刈り払い作業に取り組んだのは2006年の植林地であるが、作業後の植林地には、植えられた約1,000本のGrevillea Robusta(ヤマモガシ科)が整然と並び、大きいものでは樹高3m近くに達しており、小さいながらも既に木陰を提供するまでに育っている。苗木が枯れてしまった場所にはこれまでも補植を行ってきているので、現在の活着率は80%程度となっている。今後更に補植を続けるかについては、今後の推移を暫く見てからとすることにした。

レンタルハウス入居者公募開始(2011年3月)

 TEACAがモシの町の近郊に建設した、自立財源確保のためのレンラルハウスの入居者公募が開始された。次頁に添付された公募広告を、主要な官庁等の掲示板などに貼り出している。広告掲示を官庁などにしたのは、堅実な入居者を確保した���ことが狙いで、バラバラと広告を出すことは、TEACAとしては慎重に構えたいとのことであった。

「裁縫教室」最新状況(2011年2月)

TEACA裁縫教室は、昨年末のコース修了者が第5期目の卒業生となる。これまで継続して支援を続け、安定した教室運営に寄与してきた、これも一つの成果といえるであろう。

2005年の立ち上げ以来、これまで裁縫教室は事業として如何に軌道に乗せて いくかに手一杯の状況であった。第5期目の卒業生を迎えられたことは何より、裁縫教室においてこれらの諸課題に確実に手が打たれ、事業として軌道に乗ってきたことの証左といえる。

そしてこの実績の積み上げにより、村人たち(ここでの対象は少女たち)の自立を助け、ひいては息の長い環境問題に対する彼らの継続した取り組み環境を整えるという、本裁縫教室事業所期の目的について、その成果確認が可能となるところまでようやく辿り着きつつある。以下にその点をまとめ、報告する。

1.修了実績

第1期生('05年) 入学11名 → 卒業9名 (修了率 82%)
第2期生('06年) 入学11名 → 卒業3名 ( 〃  27%)
第3期生('07年) 入学15名 → 卒業3名 ( 〃  20%)
第4期生('08年) 入学23名 → 卒業7名 ( 〃  30%)
第5期生('09年) 入学12名 → 卒業7名 ( 〃  58%)
合  計  72名     29名 ( 〃  40%)

修了率を単純に数字だけで見ると、決して高い数字とはなっていない。これは特に 第2期生~4期生までの修了率が低いためである。しかし当初は家庭の主婦をも対 象としていたため、家事との両立が難しく、続けられない事態を招いたこと(現在は中学に進学する機会が得られなかった少女のみを対象)、家庭環境から学費が払えない生徒が避け難く出るという現地の状況がある(本裁縫教室の学費は、他校に比べ格段に安い。詳細後述)。

第4期以降、徐々に修了生が増えてきているが、これは生徒の国家試験への合格な ど、本裁縫教室のクオリティの高さが知られてきたためと思われ、そのことが親の学費納入意欲を後押ししてきていると言える。

2.現在の生徒数

16名(2年生=7名、1年生=9名)

※ ただし上記は昨年末時点であり、2年生は既に卒業し、現在は新入生の募集が始まったところである。

3.最近のトピック

●10月 教会運営の裁縫教室へのスタディツアー実施(参加:1年生9名、教師2名)

・他教室を訪問することで、そこから自分たちの教室にいかせる点や学びに繋げてもらうことを目的として実施。TEACA裁縫教室の学費が1年生2万5千シリング、2年生3万シリングなのに対し、教会運営の裁縫教室は年間13万シリングであることが分かり、訪れた教師、生徒ともに驚く。

・またTEACA裁縫教室がミシン以外にもハサミ、メジャー、糸、針といった道具を備えているのに対し、教会裁縫教室はミシン以外は生徒の自前であることも判明。

・一方、教会裁縫教室では、2、3人の生徒は国家試験の「Grade2」を受けるため、2年間のコース終了後も続けて3~4年間学んでいた。(TEACA裁縫教室の卒業生が受験する国家試験は、1ランク下の「Grade3」)。

●11月 国家試験

・昨年末に卒業した2年生(第5期生)の生徒7名全員が受験。試験結果が出るのは6月頃の予定。

・これまでの卒業生の受験結果

  受験者数 合格者数(合格率) 備   考
第1期生 9名  → 未受験 (  -  ) 受験を認められず
第2期生 3名  → 0名  (  0%)  
第3期生 3名  → 2名  ( 67%) +教師1名(Grade2)
第4期生 7名  → 7名  (100%)  
合  計 22名 9名  ( 41%)  

これまでカリキュラムの変更や小テストの実施等、授業の工夫、改善を続けてきた 結果、それは国家試験の受験結果となって確実に現れている。またそのことが裁縫教室の評価へと繋がっており、生徒の修了率(継続性)上昇にも繋がっている。

● 11月  教師を町の専門学校に派遣(2回)

教師の教授法及び能力向上を目的として、町の縫製専門学校への教師派遣を実施、とくに生徒が苦手としている国家試験の筆記試験対策として、以下の2点のアドバイスを受ける。

・筆記能力向上のために、小テストの実施回数を増やす

・講義授業時間の増加

 

● 12月 卒業式 (第5期生、7名)

卒業式には両親を含め、村の代表、教会関係者、外部からの来賓なども招き、実施。

各卒業生は自分の技術レベルを知ってもらうため、作成した服などの展示を行った。

(卒業生)1.Anna B.Njau/2.Aneth J.Mshana/3.Mercy C.Kimambo
4.Yunice E.Mshiu/5.Paulina D.Mlay/6.Mercy W.Mshanga
7.Joyce O.Kisanga

 

● 1月 新入生募集開始

1月初旬現在で5名の応募者があったとの報告を得ている。募集はその後も続けており、さらに増える見込み。

4.卒業後の生徒の進路モニター

第1期生、2期生については残念ながらモニターできなかったが、3期生、4期生 については概ね把握が出来た。その結果は以下の通りであるが、計10名中5名までが自分たちの縫製技術を活かし、町などで職を得ることに繋がっており、さらに2名は村の中で請負をしている。モニターできなかった2名についても、職を得られなかったことを意味しておらず、当裁縫教室事業が、かなり高い確率で少女たちの自立を後押ししていると見ることができるだろう。

第1期生(3名): ? モニターできず
第2期生(9名): ? モニターできず
第3期生(3名): ○ Julieth E.Mcharo (首都の裁縫店で働く ←兄弟の店)
○ Wema H.Maro  (町の裁縫店)
○ Flora M.Kalalu (市場の裁縫店)
第4期生(7名): △ Elizabeth R.Macha (村での請負)
△ Anna J.Njau  (    〃   ←老母と二人暮らし)
- Emma Kisanga  (裁縫教室に継続通学中←編物)
? Teresia B.Assey  (モニターできず)
? Mary Theobald  (   〃     )
○ Glory F.Moshi   (教会裁縫教室の臨時講師採用)
○ Gift Malisa    (首都の裁縫店)
5期生(7名): -  (試験結果待ち)

5.今年の取り組み

今年は以下の3点(一部は昨年からの継続実施)を課題とし、取り組む。
(1) 編み物授業の強化: 10名(教師含め11名)が学べる体制づくり。
(2) 卒業生の卒業後進路のモニタリング継続実施
(3) パンフレットの作成

H23年度 タンザニア・モデル造林事業計画(2011年2月)

キリマンジャロ山において2万本規模の大規模植林を実施

この2年間、キリマンジャロ山において地域のイニシャティブによる植林及び森林保全活動を実現していくため、その試行に取り組んできた。具体的には、同山の東南山麓、標高約1,600mに位置するテマ村、キディア村の2カ村において、従来のTEACA主導による植林活動から、計画立案→実施に至るプロセスをすべて村に移管する作業に取り組んだ。

植林あるいは森林保全の取り組みが、長く持続的なものとなるためには、その取り組みを地域住民の総意として村が組み上げていく必要がある。したがって、プロセスの移管はたんに意思決定や作業の移管をするのではなく、村の評議員会、そして全住民参加による村民会議において、地域住民との協議のもとにそのことが決定されるというプロセスを重視した。そして2010年度はこの新しいプロセスのもとに、上記2カ村において植林が取り組まれた。

2011年度はこの地域のボトムアップによる植林、森林保全の取り組みを、さらに多地域間協力によるものへと拡大し、その重要性の認識を広げることに取り組む。そのことを目的として、森林保護区内に広大な裸地が広がっているブンジョー地区において、複数の村、NGO、教会、学校等の多様な組織と地域住民の連携による2万本規模の大規模植林に取り組む。

キリマンジャロ山の森林保全のためには、個別の村が点として取り組むだけでは限界があり、今後、地域全体が統合的に取り組んでいくための仕組み作りが、極めて重要な課題となってくる。

レンタルハウス

現地カウンターパートTEACAの自己資金源を確保し、その自立を図っていくために建設着手したレンタルハウス建設は、昨年度、最後に残っていた電線のメインラインの引き込みが完了し、完工した。

2011年度は入居者の募集を始める。ただし確実に安定した収入へと繋げていくため、入居希望者は厳選する予定である。

【TEACA裁縫教室生徒国家試験に合格】(2010年5月)

TEACAが少女の自立支援のために運営している裁縫教室。その裁縫教室を昨年卒業した生徒7名が、このたび縫製技術の国家資格認定試験に全員合格したとの知らせが現地から入った。

受験した少女たちは、小学校を卒業後、進学の途を閉ざされていた少女たちで、TEACAはそうした地域の少女たちが技術を身につけ、自分たちの力だけでも自活していけるように支援していくため、この裁縫教室を開始した。

技術資格は今後少女たちが職を得る助けとなるもので、裁縫教室を運営しているTEACAも、今回の結果を大変喜んでいる。

2年間コースのこの裁縫教室には、今年も新入生11名が入り、2年生とあわせて合計20名の生徒たちが毎日学んでいる。

テラ村の給水パイプライン、水供給停止の懸念(2010年4月)

当基金の支援により、2004年にキリマンジャロ山麓のテラ村(注1)に敷設した給水パイプライン(注2)の水が、ほとんど止まったことが現地からの報告で明らかとなった。

同パイプラインでは、最近の水源水量の減少が問題となっていた。そこにきて昨年キリマンジャロ山のある北部地域一帯では、年間総雨量の半分以上が降る大雨期に厳しい降雨不足に陥り、流量が一気に落ちてしまった。

水力発電に頼るタンザニアでは、この2月、3月の現地調査時にも、村ではほぼ毎日のように停電となっていたが、水は電気以上に村人の生活への影響が大きい。テラ村の給水パイプラインは同村の約50世帯、300人の村人に生活水を供給しているだけに問題は深刻で、今後水量が回復するのか、重大な関心を持ってウォッチし続ける必要がある。

一方、継続する水源水量の低下をみた村人たちは、県に対し別の水源から公設給水パイプラインを敷設するよう働きかけを始めた模様で、県がどう動くかも注目していく必要がある。(注3)

  • (注1)TEACAの拠点活動地である“テ���村”とは別の村。
  • (注2)総延長4km。環境省所轄の独立行政法人 環境再生保全機構地球再生保全機構の助成金「地球環境基金」を使って敷設したと思われる。
  • (注3)当基金の支援による給水パイプラインには、これとは別に、テマ村に敷設した総延長3.3kmのパイプラインがあり、こちらも若干水量が落ちているものの、日常の使用に支障がでるほどではない。
  • 「タンザニア現地調査報告」(2009年12月27日~1月10日)

    12月27日~1月10日にかけて、タンザニアでの事業フォローのため、現地調査を実施した。

    現地概況としては、昨年大雨期(4~6月)に、とくにキリマンジャ���山麓を中心とするタンザニア北部地域一帯は深刻な降雨不足に見舞われていたが、今度は年末の小雨期(11月~12月)に、一部で死者も発生する大豪雨を招く事態となっていた。今回の調査時点でも、山中では時折激しい雨が降り続いている状態であった。

    今回の調査の主たる目的は、(1)昨年夏の現地渡航で方向性が決まった、「村」のイニシャティヴによる植林への切り換えに向け、村/村人/TEACAとの全体協議を行い、その実施を確実にすること、(2)キリマンジャロ山の麓に建設を始めたレンタハウスの着工状況確認、の2点である。

    (1)「村」主導の植林に向けて

    村主導の植林を目指す背景には、小規模苗畑グループによるこれまでの植林活動が抱えている限界の克服がある。現在取り組んでいるキリマンジャロ山の主力植林地は広大で、苗畑グループが単独で立ち向かえる規模を明らかに超えている。こうした場所での環境回復作業は、一部の村人たちの力によって為されるべきではなく、地域全体で問題意識を共有し取り組んでいかなければ、活動の継続自体が困難なものとなる。そして地域全体を統括できる立場にあるのは「村」であり、その「村」のイニシャティヴに よる植林活動を、今後どのように推進するかが大きな課題となっている。

    (写真3:テマ村での話し合い)

    そこで今回の事業調査では、(1)受け皿となる村の制度面での環境整備(=森林管理の基 本方針の策定)、(2)基本方針に対する地域住民との合意形成、(3)村の基本方針と上位行政レベル(=県)との考えの擦り合わせを行ってきた。

    各レベルにおいて基本的なフェーズ合わせはできつつあるが、とくに県レベルでは国の政策にも関わる問題であるだけに、今後も十分な時間をかけて慎重に取り組んでいく必要があるだろう。

    (2)レンタハウス着工状況

    建設にあたっては建設業者との契約が必要になるが、当初見積もりに対してかなり割高に要求してくる業者が多く、その選定にかなり手間取ったとのことであった。数社と交渉しようやく業者が決まり、かなり遅れて工事に取りかかったところであった。現在、基礎部分の工事までが終わっており、これから建物本体の建設に入る。

    建設現場が村ではないため、工事進捗の管理と資材盗難の防止等に万全を期す必要があり、TEACAには頻繁に現場に足を運び、確認作業を怠らないよう指示してきた。いずれにしても、建物が形になるまでは当面気の抜けない状況が続くことになる(工事の完了は6月の見込み)。

    また、この建設事業はエキスパートグループホールディングス㈱からの民間助成金を利用して進めているが、当基金としてはいかなる理由があっても、それ以上の支援はしないことをTEACAに対しては申し伝え、それで了解を得ている。

    なお、エキスパートグループホールディングス㈱に対しては、本事業の進捗につき、1月15日付けにて中間報告を行うとともに、6月末には基金の決算書類等とあわせ、最終報告書を提出することになっている。

    (写真上下とも) TEACAレンタハウス建設状況

    「タンザニア現地調査実施」(2009年9月)

    7月25日~9月1日にかけて、タンザニアでの現地調査を実施した。同国では、キリマンジャロ山麓を含む北部地域一帯で、今年の大雨期(3月~5月)の雨量が極めて少なく、例年比60%~70%減の結果となった。このためとくに平野部の半乾燥地を中心に厳しい水不足に陥っており、穀物は全滅、家畜の牛も水不足、餌不足のため死にはじめており、一部地域では国際機関による食糧援助が開始されていた。

    こうした状況から、半乾燥地の植林事業地では、昨年から今年にかけて植えた苗木約2万7千本が全滅する事態となっていた。

    一方キリマンジャロ山中でも雨量不足から、本格的な大雨期植林が4月下旬になるまで実施できなかった。このため各苗畑グループの植林計画の一部を、少ないながらも北部に比べ雨が降った、東部地域のダルエスサラームに振り替え実施した。

    今回の調査にて、昨年度(タンザニアの年度は6月末締め)の各苗畑グループの植林実績がまとまったが、その結果は以下の通りであった。

    グループ名 10年計画
    (単年度換算)
    昨年度植林実績 差異
    TEACA 8,320 6,742 ▲1,578
    フンブフ 3,330 2,606 ▲724
    キディア 2,850 2,469 ▲381
    オリモ 2,840 1,466 ▲1,374
    フォイェニ 1,300 146 ▲1,154
    キランガ 120 275 155
    サンバライ 2,310 1,262 ▲1,048
    ウリショ 1,700 765 ▲935
    ムボレレ 600 370 ▲230
    リアタ 90 26,900 26,810
    ダルエスサラーム 14,345 14,345
    合  計 23,460 57,346 33,886

    「村主導による植林活動の実施に向けた仕組み作りに着手」
    (2009年9月)

     今回の現地調査では、村も村人もTEACAに頼り切った状態の現在の植林活動を、地域の問題として地域全体で取り組む活動へと、如何に転換を図っていくかが大きな課題となっていた。

     そのため、従来はTEACAが主導して作成していた植林計画とその実行を、村の公式な事業計画として実践していくための仕組み作りに取り組んだ。そのためには村の評議委員会で審議採択される必要があり、TEACAとまず評議委員との打ち合わせを重ねた。その上で全村人参加による村会議にこれを通し、2カ村で村の公式な取り組みとして可決させることができた。いったん全村会議で可決された事項は、県レベルまで報告が上がるため、村長といえどもこの決定を覆すことはできなくなる。

    その後、調査終了前には両村より植林計画を提出してもらい、これに沿ってTEACAと育苗計画を立案してきた。

     今後は村による植林日程計画、動員計画などの立案フォローおよび確実な実施に向けたフォローが重要となってくる。

    「大雨期植林始まる」(2009年5月)

    オールドモシの植林現場に集まってきた村人たち

    今年のタンザニアでは、大雨期の降雨が安定していない。キリマンジャロ山麓では例年3月に大雨期の訪れを告げる雨が降り始めるが、昨年末の小雨期(11月~12月)以来、カラカラの状態が続いていた。

    急斜面の植林地に苗木を運ぶ

    4月に入り、山中ではようやく雨期らしい雨が降り始めたが、それなりに降っているのは山の中だけで、周りに広がる低地平原では今もほとんど降っていない。

    植林にあたって当基金との協力による植林であること掲げられた

    キリマンジャロ山麓を拠点とする各苗畑では、ようやく降り始めた雨を受けて、一斉に大雨期植林が開始された。とくにTEACA10年計画で重点植林地に挙げたオールドモシの尾根では、村の主導により4/22~5/15の期間中に8日間の日程が各住民に割り当てられ、植林が実施された。樹種及び本数の実績はまだ報告があがってきていないが(計画=6樹種、計4,450本)、一部種子調達のできなかった樹種があるため、4,000本程度の実績になると思われる。

    タンザニア活動状況(2009年3月)

    タンザニア・キリマンジャロ植林ワークキャンプ開催

    今年も2月11日~3月6日にかけて24日間の日程で、キリマンジャロ山の東南山麓にあるテマ村(標高約1,600m)において、植林ワークキャンプを開催した。参加者17名(男性2名、女性15名)。

    植林地はテマ村一帯の重要な水源の一角であり、また村人たちが2000年から植林に取り組んでいるレカラ植林地(約6ha)。ここでこれまでに植林を実施した場所の下草刈り及び捕植作業、さらに新規エリアへの拡大植林を実施した。

    植林した樹種は、キリマンジャロ山の原生種であるマカランガ・キリマンジャリカを310本、土壌水分をよく保持するグレビレア・ロブスタを622本、この地域では活着率が最も高いピナス・パトゥラを40本、水源近くにカップレサス・ルシタニカを130本の計4樹種1,102本であった。このほか、オリモ小学校にターミナリア・スペバ2本の記念植樹を行った。

    ここ数年の傾向として、地域の中学校も植林に加わるようになってきており、ワークキャンプによる地域への植林活動普及に対するインパクトとして評価できる。期間中に参加した村人及び学生、子どもたちの延べ人数は、472名であった。

    裁縫教室、09年度新入生を迎える

    TEACA裁縫教室では、この1月に09年度の新入生(=第5期生)9名を迎えた。この新1年生に、2年生(=第4期生)12名を加えた計21名が、現在裁縫教室で学んでいる生徒数となる。

    また昨年11月末には、第3期生3名が晴れて卒業した。但し、もともと第3期生は計15名おり、2年間のコースを最後まで無事終えた生徒は全体の20%のみということになる。途中で脱落した生徒12名のうち、その理由が確認できたのは3名で、以下の通りである。

    •  ・町に裁縫の職を得られたため    (2名)
    •  ・子どもができたため        (1名)

    卒業した3名は昨年末に国家試験を受ける予定であったが、全体での受験者数が多かったため、この5月に受験することとなった。

    現在2年生である第4期生も、もともとは23名おり、入学後1年を経った現在の脱落者数11名、脱落率は48%と、ほぼ半数までに減っている。その理由が確認できたのは、以下の7名である。

    • 村で裁縫の仕事を始めた      (1名)
    • 中学校に進学の機会を得られた   (3名)
    • 母親が病気になり、やむなく退学  (1名)
    • 引っ越して別の裁縫教室に通い始めた(1名)
    • 結婚した             (1名)

    第3期生、4期生の脱落理由(合計で)のうち、裁縫教室に通ったことで、何らかの形で職を得られたことから辞めた者が30%、更に中学進学の機会を得た者が30%。このことから、たとえ技術が未熟な状態でも、収入の機会が得られると判断した場合は、生徒はすぐにそちらの道を選ぶこと、また、当然ながら進学の機会が得られれば、躊躇なく進学���道を選ぶことが分かる。これらは現地の限られた収入機会、進学機会を考えれば、当然の選択といえる。

    そのほか、結婚した、子どもができた、母親の病気など、裁縫教室を辞めざるを得ない理由が30%を占めている。この部分は、現状では救いようがない。

    脱落のケースについては、全員のモニターが出来ているわけではないので、上記の分析が必ずしも全体状況を正しく反映しているとはいえないが、ある程度の状況理解には役立つものと考える。

    タンザニア活動状況(2008年4月)

    1.大雨期植林始まる

    タンザニアでは、3月下旬から6月にかけてが大雨期となる。ほとんどが農民である村人たちにとっては、主食のメイズ(白トウモロコシ)作付けの農繁期であるとともに、植林にとってももっとも重要なシーズンである。

    キリマンジャロ山麓でも、5月に入り、村人らによる大雨期植林がいよいよ本格化するとの連絡が入った。実際の植林結果が上がってくるのは1~2ヶ月後になるが、キリマンジャロ山麓各地での、植林の準備状況を速報でご報告する。

    今大雨期中の植林計画(キリマンジャロ山麓)
    植林地名樹    種 (本数)
    キルア・ブンジョーピナスマツ    (500本)
    オカメニグレタド・アマリロ(300本)
    クワ・ンドゥイアクロカルパス   (20本)、シノブノキ(50本)
    村の山道沿いシノブノキ    (300本)、モクマオウ(数量未定)
    ナティロ・チラアクロカルパス (20本)、シノブノキ (25本)
    オメラシノブノキ  (50本)
    カヘボトムブラシ (50本)
    マロホロニフラミレ(20本)、マイソピス(60本)、ファイカス(10本)
    クワ・ワ・マチャポプラファイカス(数量未定)、ムクンドゥクンドゥ(同左)
    テマ中学校ピナスマツ     (50本)、フラミレ(30本)
    合  計11樹種 (1,485本+数量未定分)

    2.今夏の会長ほか現地訪問について現地に伝える

    今夏の当基金会長ほかの視察について現地に一報を入れた。現地では州及び県の関係機関への事前連絡が必要なので、最終的な視察の有無について出来るだけ早く連絡をもらえるようなら助かりますとのことであった。

    一方、村人たちは皆さんの到着と事業視察を心待ちにしていますとのことであった。

    タンザニア植林ワークキャンプ開催される

    今年も2月14日から3月6日の22日間にわたって、「タンザニア植林ワークキャンプ」が開催された。日本から参加した18名の植林ボランティアが、村に滞在しながら、村人たちとともに植林に汗を流した。予想以上の厳しい作業に、参加した誰もが一度失われた森林を回復することの困難さを、身にしみて理解することになった。

    水源地を守る

    ワークキャンプが開催されたのは、キリマンジャロ山の東南山麓に位置するテマ村(標高1,600m)。ワークキャンプでは、ここで村人が自分たちの生活を守るために20年間にわたって取り組んでいる植林活動にともに取り組む。

    今回の植林地は昨年に続き、村より標高にして100mほど山を登った所にある「レカラ」と呼ばれる場所。同地は森林が伐採され裸地化してしまった一方で、テマ村付近では最後に残された有力な水源地となっている。村人たちは水源が枯渇してしまう前に、失われた森林を取り戻そうと植林に取り組みはじめた。

    補植から取り組む植林作業

    「植林」というと苗木を植えるイメージが思い浮かぶが、実際に村人たちが取り組んでいる「森を取り戻す」ための取り組みでは、むしろ植林後のフォローに長���年月を要する。植えた苗木もすべてが根付くわけではない。とくにキリマンジャロ山麓での植林では、樹種の偏りを避けるため、活着率より樹種の多様性を優先している。このため新規の植林地の場合、初年度の活着率は60%程度が平均値となっている。従ってその後の「補植作業」が、森を取り戻す上で極めて重要となってくる。ワークキャンプでも、新規植林地への植林作業より、村人が何年もかけて取り組んでいるこの補植作業にまず取り組む。

    補植作業は植林地を覆い尽くしてしまったブッシュの刈り払い作業から入る。昨年村人らによって2回の刈り払いが実施されているが、予想以上にブッシュの回復力が強く、苗木が完全に負けてしまっている。今回捕植したのは2006年、2007年の植林地であるが、とくに2007年の植林地は活着率約40%で、相当厳しい結果といえる。

    木の植え付けは最後の一日

    ワークキャンプで取り組む作業は、大きく分けて「ブッシュの刈り払い」、「植え穴堀り」、「苗木の植え付け」の3つに分けられる。今回は計8日間植林作業があったが、苗木の植え付けは最後の一日だけ。それ以外の7日間はすべて「苗木を植えられるようにする」ための作業となる。

    日本の参加者からは「植林作業がこんなに大変だとは思わなかった」との声が漏れる。実際、植え穴掘りなどは日本人一人では一個掘るのも大変で、ほとんどの人が村人に手伝ってもらうことになる。現場には毎日9時頃入り、終了は午後2時か2時半であるが、休憩時間や食事の時間を除くと、実質的な作業時間は3時間ちょっと。それでももうクタクタになる。

    予想以上のブッシュに苦しめられたこともあり、今回のワークキャンプで植えられたのはグレビレア・ロブスタ581本、アルビジ���・シンペリアナ510本、アクロカルパス18本の合計1,109本であった。現地で雨期が本格化するのはこれから。村人たちの植林作業はいまも続けられている。

    2004/05年度(2004年7月~2005年6月)
    各苗畑グループの実績出揃う

    本年度の大雨期(3~5月)は降雨不足に終わった。1月~6月までの総雨量としては、過去10年以上例のない少雨の年となった。 タンザニアでは年度始めは7月から。6月までの2004~2005年度の苗畑グループ9団体の植林実績が出揃った。

    裁縫教室開校(2005年7月1日)

    TEACA事務所兼ワークセンターはまだ未完成ながら、教室部分の建設と当面必要な機材の調達が整い、当初の予定通り7月1日から裁縫教室が開始された。生徒数11名(少女6名、ママさん5名)。 授業は平日5日間、午前の部は少女を、午後の部はママさんを対象としたコース(ママさん達は家事、農作業が忙しく、受講できる時間が限られているため、少女とは別のコース)を実施している。2年間で1コース修了とする。

    タンザニアの学校の新学期は1月に始まる。生徒募集の都合上、学校の新学期にあわせるため、新年度の授業は1月から開始とする。初年度の生徒は1年目の授業内容を12月末までの6ヶ月間で学び終え、1月には2年目の課程を始めなければならないため、通常より早いピッチで授業を進めている。

    今後、裁縫教室の運営には、月々の教師の給料や機材、消耗品費などの経費が必要になり、なんらかの収入でまかなっていかなければならない。 現地の同様の教室を参考に、支払い可能な範囲で生徒から授業料を徴収することを検討しているが、生徒の受入可能人数に限りがあるため十分とはいえない。自立運営に向けて課題が多い。

    しかし生徒達の裁縫教室への期待は大きい。 裁縫技術の習得によるメリットについて生徒達にインタビューしたところ、比較的時間に余裕がある少女達は「自分で作った服を町やマーケットで売ることが出来る」と、自活を目指した小商いへの期待が強かった。 家事や農作業に追われ時間的余力の少ないママさん達も、「家族の服を作ったりなおしたり出来る」「近所から注文を受けて収入を得ることができ、家計のたしになる」「余力があればマーケットで売ることもできる」と希望を語っていた。

    現地調査報告(2005年6月7日~22日)

    タンザニアは南半球に位置するため、これから冬に向かう季節。気温は日中でも17℃程度、雨が降ると12℃程度と肌寒い。天気は、6月は雨期の終盤にあたるため、本来なら一日中雨が降り続いているところだが、滞在期間中は、降ってもせいぜい夜半から午前中まで。ここ数年の少雨の傾向が実感された。

    テマ村マイデニ地区に計画中のワークセンター(裁縫教室)は、当基金の法人会員である国際ソロプチミスト浜松(有職女性団体)から「タンザニアの女性達の自活支援、生活改善のためにご支援したいが、なにかできないでしょうか?」との相談を受け、当基金と協力して昨年末、開設計画がたてられた。小学校卒業後、進学の途が断たれた女子児童やその他の女性たちが、裁縫技術の修得により、自活する能力を身につけてもらうことが目的。家庭を持つ女性達が現金収入を得られるようになることで生活環境も良くなることが期待できる。7月に開校を予定���ている。

    また、以前より、TEACAのリーダーから、本部事務所建設の要望がきており、今回のワークセンターにも教室が必要になることから、TEACA事務所兼ワークセンターとなる建物の建設を、あわせて計画した。(今まではオリモ小学校の職員室を間借りして活動。小学校側の事情により今後、使用できなくなるとのこと)

    タンザニア教育事情

    タンザニアの公用語はスワヒリ語と英語ですが、日常生活ではほとんどの人がスワヒリ語を使っています。英語を使う人はほとんどいません。小学校では英語の授業がありますが、中学校になると授業が全部、英語で行われるようになります。生徒達は辞書も、教科書さえも自分で持っておらず、学校で借りているので家に持ってかえって勉強することができません。家に帰ると家事の手伝いなどで忙しく、夜になれば電気が通っていなくて真っ暗という家庭がほとんどです。小学校では成績が悪いと進級できません。当然、進級ができずに小学校を中退する子、また、中学校へ進学できても英語での授業についていけなくなり、退学してしまう生徒がたくさんいます。

    また、中学校は数が少なく、遠隔地にあることが多いので家から通えず、寮に入らなければいけません。家計にとってはとても大きな負担となるため、進学できる生徒は限られてしまいます。

    調査の目的

    1. ワークセンター(裁縫教室)開設事業の進行状況の確認、事業立ち上げフォロー。
    2. キリマンジャロ山麓テマ村及びキディア村(オールドモシ地区)における植林実績、現状の確認。

    調査結果

    ワークセンター:事務所建設工事

    • TEACA事務所を裁縫教室としても使用できるよう、4部屋+1物置の建物の建設を進めている。土地はすべて村人からの提供による。その他、寄付、資材、労働力の協力を村人から受けている。4月から工事を開始し、調査時までに壁、屋根、トイレの一部まで工事が進んでいた。
    • 7月の開校までに完成は間に合わないと判断。教室用となる1部屋だけでも先に完成するように工事を進めることを指示する(植林資金まで建設費に回されないよう配慮)。
    • 教室用の部屋が完成するまでは、建物の通路となる場所で教室を開始することにする。

    ワークセンター:開校準備

    機材調達
    授業に必要な機材の調達の進行状況を確認。調査時点までにミシン(足踏式・電動式)・机・イス・裁縫鋏・機械油・糸・テープメジャーを購入完了。
    今後、購入が必要な機材は、編み機・棚・アイロン・黒板・型紙・布。
    教師の確保
    公募をかけ、3人の応募があった。そのうちの一人、ステラ・ガドソン・マエダさんを採用決定。彼女には3年間の裁縫教室指導経験があり、技術的にも信頼がおけると判断。本人との面談の上、採用条件についても合意を得た。
    夜警の確保
    ミシン等機材の夜間の盗難防止のため、夜警の雇用が必須。調査時点では採用条件、手当の見積もりの概略を決めるにとどまった。
    生徒の募集
    主に小学校卒業後、進学の途を断たれた女子児童、その他女性を対象とする。
    募集人数は20人程度。平日5日間、午前の部・午後の部に分けて3、4時間ずつ指導。期間は2年間とし、初年度でミシンの基本操作の修得、簡単なスカート等が作れるようにし、2年目には手の込んだ服装やセーター等の編み物を作れるようにする。また、生徒が植林活動など、���EACAが行っている環境面の取り組みにも参加できるようにする。
    近隣の小学校、公共機関、教会、店などにチラシを配布し、生徒募集を呼びかける。

    ワークセンター:今後の課題

    • 現地で小学生が卒業するのは12月。こちらからの要望で7月開校としたが、今後、生徒の募集を効率よく行うためには10月頃から募集を始め、1月からの1年間をベースにカリキュラムを組む必要がある。
    • 家庭を持った女性たちは、縫製技術習得への意欲は強いが、日々の農作業、家事、育児に追われており、毎日、長時間、教室に通うことは難しい。今後、こうした女性たちも参加できるような、日常生活に配慮したカリキュラムを考えなければならばい。
    • ワークセンターの運営には、教師、夜警の給与、消耗品費が毎月発生する。基金からも新たな支援が必要になるかもしれないが、現地の相場を考えて若干低めに設定した上で、授業料の徴収も考えにいれた方が良いように思われる。

    植林地調査

    • キリマンジャロ山麓においてこれまで取り組んできた植林の最新の経過状況、成果を調べるため、各植林地の踏査調査を実施した。調査対象はTEACAと村人たちが1994年から2005年にかけて植林に取り組んできた計8ヵ所の植林地。
    • 今回の調査対象地のうち、一番古いムレマ植林地(1994年植林)。植えられている Casuarina montana と Pinus patula は、樹高が20メートルを越え、一帯は森の様相を呈しつつある。TEACAによるこれまでの植林の中でも、同植林地は最も成功した植林地といえる。
    • 1999年に植林されたムシンガ植林地。整然と植えられた Grevillea robstaが樹高10メートル近くまで育ち、活着率も90%以上を維持している。1ヘクタールほどのかつての裸地が林のような景観を取り戻しつつある。数年内にはムレマ植林地に続き、間伐が必要になると思われる。
    • 1995年に植林されたキタンガラ植林地、1999年に植林されたオサレ植林地の一部は、土壌条件や土砂崩れの影響などで、状況が芳しくない。 TEACAによる継続的な補植が行われており、確実に森林を回復させていく計画である。
    • ワークキャンプの時にも植林をしたレカラ植林地、レカラ・マムンダ植林地。活着率にムラが出やすい地域だが、毎年、欠かさず補植を重ねており、植林地全体での活着率は60%台となっている。

    4月の降雨、不振に終わる(2005年4月)

    現地では3月~5月、12月~1月頃が雨期にあたり比較的雨の多い時期で、3月~5月は大雨期、12月~1月は小雨期と呼ばれている。

    4月はその大雨期の中核をなす月だが、今年は年明けから4月までの累計で見る限り不振であり、2003年からの3年連続大雨期の降雨不足の様相を呈しつつある。

    高標高地はまだしも、低標高地での植林活動への影響は必至で、特に水道の通っていない地域の苗畑グループでは今期の植林は厳しい状況。今期用に育成してある苗木が育ちすぎれば、結局、植林には使用できなくなってしまうので、植林は実施すると思われるが、最終的に活着率に影響が出ると思われる。

    新規給水パイプラインの敷設完了(2004年12月)

    当基金では、1994年にキリマンジャロ山麓、TEACAの中心的活動地域であるテマ村に、延長3.3kmの給水パイプラインを敷設し、植林や地域住民の生活に役立てています。

    この12月、やはり水源の枯渇している隣村のテラ村まで、総延長8kmの給水パイプラインを敷設しました。

    キリマンジャロ山麓の村では、森林の減少とともに伝統水路の枯渇がみられ、テラ村でも、30年ほど前までは豊かな水量で村人の生活を支えていた湧き水が、今では心細げに細い筋となって流れているだけとなってしまっています。

    今回敷設されたパイプラインによって、約600人のテラ村の村人たちが、毎日の生活に必要となる十分な量の水を得ることが出来ます。

    このパイプラインの敷設によって、樹木への灌水用や生活用水の確保のほか、清潔な飲料水を利用できることで病気の低減につながると期待されます。 また、水源地保全への意欲が高まり、村人たちの植林活動への新規参加に結びついています。

     

    タンザニア・キリマンジャロ植林ワークキャンプ開催
    (2005年2月9日~3月2日)

    当基金では2月9日~3月2日にかけて22日間の日程で、タンザニア・キリマンジャロ山麓、テマ村において植林ワークキャンプを開催しました。(タンザニア・ポレポレクラブとの共催) 参加者は男性12名(うち引率1名)、女性14名の計26名。

    植林地は村の水源にあたるエリアで、面積約6ha。 森林伐採後20年以上にわたり裸地のまま放置されてきた土地ですが、水源地保護のため、テマ村の村人たちは2000年から植林に取り組んでいます。

    作業は植林地に繁茂したブッシュの刈り払いから始まり、植え穴掘り、植林、灌水と進められます。 刈り払い作業はナタ、植え穴掘りはクワを使って行います。 どちらも地元で使われている道具を使いますが、日本製のものに比べ重く、切れ味もよくありません。 きびしい日射の中、普段使い慣れない道具を使っての作業とあって、なかなかハード。

    今回のワークキャンプでは全行程のうち丸8日間植林を行い、私たち日本人ボランティア一行と村人、のべ約600人が植林に参加。4樹種、計1,143本の苗木が植えられました。

    ワークキャンプ日程
    2/9~/10羽田空港集合出発→関西空港→ドバイ空港→タンザニア・ダルエスサラーム空港着
    2/11ダルエスサラーム→コログウェ→キリマンジャロ麓の町、モシ着
    2/12~/13モシで終日自由行動
    2/14モシ→キリマンジャロ山麓テマ村オリモ着、宿泊施設の設営、活動内容についての説明会
    2/15~/18終日植林
    2/19~/21手工芸品ワークショップ、村人の家にホームステイ、コーヒー畑見学
    2/22~/25終日植林
    2/26片付け、村人とのお別れ会、オリモ→モシ
    2/27モシ→コログウェ→バガモヨ
    2/28バガモヨで自由行動、タンザニアの伝統民族舞踏鑑賞
    3/1バガモヨ→マコンデ村→ダルエスサラーム空港発→
    3/2→ドバイ空港→関西空港→羽田空港着 解散

    2003年度(2003年7月1日~2004年6月30日)の植林活動

    タンザニアでは、ここ2年ほど雨期に十分な量の雨が降りませんでした。 植林地のあるキリマンジャロ山麓でも、少雨により育苗や植林活動が影響を受け、植林本数が減少しました。

    ※タンザニアは3月~5月、12月~1月頃が雨期にあたり、他の時期よりは比較的雨が多く降ります。乾燥した土地なので、苗木が根付きやすいように雨期にのみ植林を行いますが、その時期に雨が降らないと植林できません。

    育苗は、植林時期までにちょうど良い大きさに育つように計画して行われるため、雨期に雨が降らず、植林できずに時期をのがすと、苗木が育ちすぎて植林には使えなくなってしまう場合があります。

    ・TEACA本部があるテマ村では、植林がかなり進んで完了に近づいているため、植林本数を減らしています。

    ・組織内に問題が発生したグループでは、育苗があまりできず、植林本数等が計画より大幅に落ち込みました。

    昨年度のネットワーク全体の植林活動は、下記のとおりです。

    2003年度植林実績(苗木本数)
    (2003年7月1日~2004年6月30日)
    育苗計画育苗結果
    188,738197,315
    育苗計画内訳
    植林住民への配布販売枯死苗畑の残り
    30,71064,34325,5196,96969,774

    ※販売は、育苗所で栽培し、一般市民に販売した苗木の本数です。売上金を植林費用の一部にあて、植林活動の経済的自立を目指して行っています。

    ※住民への配布は、地域住民に自分の土地に植林してもらうためにタダで配布した苗木の本数です。

    タンザニア現地調査報告(2003年1月23日~2月3日)

    オカメニ・サイト

    2002年1月の植林風景

    2002年1月の植林風景 オカメニ・サイトは、テマ村にある私有地です。私有地への植林は、土地がらみの問題から、難しい面がありました。

    オカメニ・サイトでは、土地所有者を調べて地図を作り、所有者から樹種・本数の希望を聞いて、それに沿って木を植えます。植林は村人たちの手で行います。

    所有者は、タンザニア植林行動協会(TEACA)との間で、植林後の管理は土地所有者が行い、植えた木は勝手に切らない、などの取り決めを交わしています。今のところこの方法はうまくいっています。

    2003年1月、同じ場所で撮影

    2003年1月、同じ場所で撮影 1年後、植林したGrevillea robusta(ヤマモガシ科ハゴロモノキ:写真の赤丸印)の生育は良好でした。

    他に4種類植えましたが、Cupressus lusitanica(ヒノキ科グレタドアマリロ)はほとんど枯れてしまいました。

    大変乾燥した土地なので、大雨期(3月から6月)のときしか植林していません。

    水源涵養とともに、付近の住民や他の土地所有者に対するデモンストレーションとしての役割も期待しています。

    給水パイプライン

    マコレ・スプリングにある水の取り入れ口
    (2003年1月撮影)

    新パイプライン建設予定地の終点オドイ
    (2003年1月撮影)

    1994年に全長3.3kmの給水パイプライン工事を支援しました。2002年11月、そのパイプラインの補強・拡充工事が完了しました。

    タンザニア環境行動協会(TEACA)本部のあるテマ村オリモから、更に山を登り、マコレ・スプリングという場所までパイプを伸ばしました。沢水が2本合流した地点に水の取り入れ口を設け、清潔で十分な水量を得ることができるようになりました。

    2005年までには、オリモからパイプを枝分かれさせて山を下り、オドイという場所まで、全長約4kmの給水パイプラインを建設する予定です。

    パイプライン予定地を、村人とともにたどって歩きました。

    テマ村のあたりでは、水道がほとんど整備されておらず、下水道はありません。汚水は垂れ流しにされ、水は下流にいくほど汚染されます。しかし村人は、植林や生活用水にそれを使用するしかありません。しかも、細い水路は乾期には枯れてしまいます。

    給水パイプを増設し、村人による植林をはじめ生活改善にも役立つよう努力しています。

    改良かまど(エンザロ式かまど)

    右の写真は、村で伝統的に使用されている、地面に三つの石を置いただけのかまどです。

    調理に多くの薪が必要でした。また、薪を集めにいく労働力も大きなものでした。


    そこで、薪炭材の削減と薪集めの労働力の軽減、効率の良い調理のため、現地で改良かまどを広める活動を行っています。

    三つの鍋が同時に調理できるので、時間が大幅に短縮できます。また、薪の量は半分以下ですみます。

    村の女性は、使ってみてとても良いと言っていました。