近況報告

当基金では、2000年秋から、中国陜西省銅川市と協力し、同市王益区の南寺山において、南寺山緑化・水土流失防止事業を行っております。

「現地調査報告」(2010年1月)

2009年9月22日から25日までの4日間、中国・陜西省銅川市王益区南寺山で実施している緑化・水土流出防止事業の現地調査を行った。

プロジェクトの第9年目に当たる2009年は、春季に当初の計画どおりイブキ(蜀桧)、タイワンネズ(刺柏)、エンジュ(中槐)など7樹種4,500本を植林した。その後、干ばつがあり木の活着率が悪かったことから、秋季には補充してイブキ、エンジュ等700本を植林した。その結果、総計で5,200本が植えらた。

2009年末の植林緑化面積は48.2ha(山中の畑地を植林する退耕還林10haを含む)に達した。王益区の農林局責任者の話では、来年の春、秋の植林後には緑化面積は計画どおり50haに達し、南寺山の全面緑化は基本的に完成するとのことであった。

今年の支援金は150万円(約10万元)で、2001年からの累計は90万元(約1,350万円)に達している。一昨年の話し合いにより、2010年までに毎年10万元(約150万円)を支援することとしており、2010年まで10年間の支援総額は100万元(約1,500万円)が見込まれている。

「現況報告」(2009年1月)

中国銅川市南寺山の2009年植林計画は7樹種4500本

中国陜西省銅川市の南寺山緑化・水土流出防止事業について、同市農林局から2009年の植林計画が送られてきた。計画によると、春にイブキ(1000本)、タイワンネヅ(200本)、エンジュ(500本)、カキ(1000本)、ヤナギ(500本)、コノテガシワ(300本)、コマツナギ(1000本)の7樹種4500本の植林を、秋には春に植えた木の活着率により、補充して植林することを計画している。これに要する費用は、苗木の購入に5万300元(約74万円)、苗木を植えるための労賃に1万8000元(約25万円)、水道料と散水に要する労賃など灌漑費用に1万3500元(約19万円)、除草、防水、ネズミやウサギの被害から守る要員(2人)の管理費用に1万2000元(約17万円)の計9万3800元(約131万円)となっている。

今年の特徴は、植林本数については一昨年1万8100本、昨年7400本、今年4500本と毎年減少しているのに対して、労賃については1本当たり一昨年2元、昨年3元、今年4元、管理費用についても1本当たり一昨年0.5元、昨年2元、今年3元と近年人件費の増加が更に顕著になっていることである。

中国銅川市南寺山植林の2009年計画と費用

木の種類 イブキ
(蜀桧)
タイワンネズ
(刺柏)
エンジュ
(中槐)
カキ
(柿子)
ヤ ナ ギ
(柳樹)
コノテガシワ
(側柏)
コマツナギ
(紫穂槐)
合計
春季数量 1,000 本 200 本 500 本 1,000 本 500 本 300 本 1,000 本 4.500 本
秋季数量 春季に植えた木の活着率により、補充して木を植える。  
苗木費用
(本当たり)
30,000 元
(30元/本)
1,600 元
( 8元/本)
5,000 元
(10元/本)
5,000 元
(5元/本)
2.500 元
(5元/本)
1,200 元
 (4元/本)
5,000 元
(5元/本)
50,300 元
労賃 4,500本(4元/本) 18,000 元
灌漑費用
(水道料金と労賃料金)
4,500元(3元/本) 13,500 元
管理費用 2人(1人6,000元) 12,000 元
合計   93,800 元

中国銅川市南寺山の2008年植林計画決まる

中国陝西省銅川市の南寺山緑化・水土流出防止事業について、同市から1月21日、2008年の植林計画を報告してきた。

今年は、春に8樹種6200本、秋に3樹種1200本の計7400本の植樹を計画している。これに要する費用は、苗木の購入に52800元(約79万円)、苗木を植えるための労賃に22200元(約33万円)、水道料と散水に要する労賃など灌漑費用に14800元(約22万円)、除草、防水、ネズミやウサギの被害から守る2人の要員の管理費用に12000元(約18万円)の計101800元(約153万円)となっている。

今年の特徴は、①前年に比較して、苗木が18100本から7200本と60%減少しているものの単価の高い苗木を購入するため金額的には33%減にとどまっていること、②労賃は前年の一本あたり1.5元から3元と2倍、灌漑費用も1本当たり0.5元から2元と4倍、管理費用も1人3800元から6000元と63%増加していること、が挙げられる。

植林計画では、南寺山地の耀州窯博物館周辺や漆水河川両岸にコマツナギとエンジュが新たに植林されることになった。銅川市では、コマツナギについては「適応力に優れ、繁殖し易い、多年草の潅木であり、干ばつに強く、土地改良も早く、土地の塩害を軽減し、道路の保護や園林の緑化などに幅広く適用される」、エンジュについては「樹冠が幅広く、枝葉が茂り、成長も早く、開花期間が長く、傘のように日陰を作り、都市部での日陰や側道樹木として良好とされている」、また、2007年秋に初めて植林されたヤナギについては、「その環境条件も厳しくなく、どのような場所でも適用が可能であり、その樹冠幅も比較的広く、形状も優美であり、水や湿気に強く、根茎も発達し、土壌を固める力も強く、堤防や岸辺の植栽に適している」としている。これらの樹種を植林することにより、「博物館付近の鑑賞性を高め、南寺山付近の森林面積を広げ、同時に緑化効果と博物館の外観にも効果を発揮しており、その地域の土壌流出にも比較的良好な効果を上げている」とのことである。

2008年の植林計画と費用
木の種類ヒノキイブキコノテガシワエンジュカ キヤ ナ ギコマツナギヒマラヤスギ合  計
春季数量 (本)200200300 1,0001,000500 2,000 1,000 6,200
秋季数量 (本) 500 500 200 1,200
2002003001,5001,0005002,5001,2007,400
苗木費用 (元)3,0001,6001,20015,0005,0002,50012,50012,00052,800
本当たり
苗木費用
15元8元4元10元5元5元5元10元
労 賃 7,400本 (3元/本) 22,200元
灌漑費用(水道料金と労賃料金) 14,800元7,400元 (2元/本)
管理費用2人(毎年の管理費用は1人6,000元) 12,000元
合計101,800元

現地視察報告(2005年4月21日~24日)

中国では毎年3月12日を植樹祭とし、この日を中心に全国各地で市民が総出で植林を行う。今回の視察では、春の植林の成果を見ることが出来た。 南寺山には今春までに22.5ヘクタールの土地に植林を行ったが、これは現在、南寺山の植林適地とされている面積(34.77ヘクタール)の65%にあたる。 南寺山は起伏が険しく、平らな土地が少ないため、植林適地とされている面積は全山の表面積の41%。 山中には、政府の許可を得て付近の農家が耕作している畑がある。銅川市の職員によると、今後は農家の了解を得ながら畑地を植林地に変える、これまで植林適地に含まれていなかった民家に近い土地を植林地にする、山沿いの国道の両側を緑化するなどにより、植林地をあと16ヘクタール広げ、全部で50ヘクタールにする方針とのこと。農家との話し合いを進めている。 換金作物として、経験のある農家に果樹栽培を依頼している。今春、カキを試験的に植えたところ、土壌条件に適合したらしく、生育が良好である。

南寺山の配水管敷設工事完了(2004年12月)

南寺山は黄土高原南端にあり、砂漠化にさらされた半乾燥地です。年間降雨量は400~500ミリ。事業開始当初から植林にはまず、給水施設の設置が不可欠であるといわれてきました。 2002年、山の一角に貯水槽(容量200立方メートル)を設置しました。 貯水槽には、南寺山から2.4キロ離れたところにある深さ180メートルの深井戸を利用、配水管を敷設して水を引き、貯水します。 その後、貯水槽に蓄えた水を全山に給水するための、全長8キロに及ぶ配水管敷設工事を進めました。 2004年冬、さらにもう1つ貯水槽(容量300立方メートル)を設置、全山への配水管敷設工事が完了。各植林地に設けられた給水器から放水できるようになりました。 これまで南寺山ではふもとの川からリヤカーで水を運び上げ、天秤棒とバケツを使って灌水していました。 人力による灌水は重労働である上、ふもとの川は近隣の工場、住宅地からの排水により汚染されており、植物の育成には不適切でした。 南寺山は起伏がはげしく死角が多いため、自動で灌水できるスプリンクラーが利用できず灌水には人手がかかりますが、今回の給水施設の設置により、きれいな井戸水を利用できるようになり、灌水の労力も削減されました。 灌水も適宜行うことができるようになり、苗木の活着率の低下防止に役立っています。

南寺山植林緑化状況

(単位:本)

  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 合計 活着率
(平均)
密度
(本/畝)
面 積
(畝)
イブキ 800 2,290 1,542 1,150 1,000 1,000 1,200 1,200 10,182 87% 113 90.10
タイワンネズ 980 830 * 890 1,000 1,000 1,500 200 6,400 85
%
113 56.64
ヒノキ 300 * * * * * * * 300 90% 113 2.70
コノテガシワ 500 3,000 1,200 1,764 2,000 2,000 3,000 300 13,764 79% 168 81.93
サンショウ 12,000 11,000 * 2,000 * * * * 25,000 80% 295 27.00
ニセアカシア 4,900 2,100 500 494 * * * * 7,994 81% 295 27.00
ポプラ 3,2001,0006,000910* 6,000 8,400 * 11,110 87% 295 106.81
ヒッポファエ6,5907,20012,0001,400* * * * 27,190 90% 667 40.80
ヒマラヤスギ*20*** * * 1,000 1,020 100% 40 25.50
トウネズミモチ*10*** * * * 10 100% 40 0.25
サクラ *10*** * * * 10 100% 40 0.25
カキ ****3,000 3,000 3,000 1,000 10,000 * * *
ヤナギ * * * * * * 1,000 500 1,500 100% 90 16.67
エンジュ * * * * * * * 1,000 1,000 85% 120 8.30
ヤナギ * * * * * * * 2,000 2,000 70% 167 11.98
総計 29,27027,46021,2428,608 13,000 13,000 18,100 7,200 137,880 * * 553.63
(36.91ha)

中国銅川市南寺山の植林と費用の状況(2007年)

木の種類 ヒノキ イブキ コノテガシワ ポプラ カキ ヤナギ 合計
春季数量 1,000本 1,000本 2,000本 6,000本 3,000本   13,000本
秋季数量 200本 500本 1,000本 2,400本  1,000本 5,100本
1,200本 1,500本 3,000本 8,400本 3,000本 1,000本 18,100本
苗木費用
(本当たり)
18,000元
(15元/本)
12,000元
(8元/本)
12,000
(4元/本)
16,800
(2元/本)
15,000元
(5元/本)
5,000元
(5元/本)
78,800元
労賃 27,150元(1.5元/本) 27,150元
灌漑費用
(水道料金と
労働料金)
9,050元(0.5元/本)9,050元
管理費用 2人(毎年の管理費用は1人3,800元) 7,600元
合計  122,600元

(備考)経費122,600元(約184万円)のうち、緑の地球防衛基金は10万元(約150万円)を支援している。