近況報告

陜西省韓城市象山に続き、植林を進めてきた同省銅川市南寺山の緑化・水土流出防止事業が昨年10月に完了した。古都西安の北120㎞の黄土高原南端に位置する南寺山は、付近にセメント工場や博物館があり、春には黄砂が発生し偏西風に乗りわが国にも到達している。この黄砂は人の健康に大きな影響を与えている。このため、省政府から緑化事業の要請があり、2000年秋に試験植林を行い、2001年から本格的に植林を始め、計画どおり10年後の2010年秋に完了した。

植林事業が完了

-盛大に完了式典が行われる-

完了式典は、昨年10月19日に植林地の銅川市南寺山中腹で盛大に行われた。当基金からは大石 正光会長を始め4名が参列した。

式典は、劉先蓮陜西省外事弁公室副主任・対外友好協会副会長の挨拶に始まり、大石正光当基 金会長等からの挨拶があった。劉女史は、挨拶の中で、大石会長率いる緑の地球防衛基金による この植樹緑化プロジェクトへの支援は、地元の自然環境や居住環境の改善に貢献し、現代から千 秋の時を経てもなおその功徳は続くものと感謝の辞を述べられた。続いて、中日友好林記念碑の 除幕、記念植樹が行われた。

中日友好林記念碑は中国語と日本語で記載され、その内容は次のとおりである。

中日友好林記念碑

王益区南寺山の「中日友好林」は、日本国の緑の地球防衛基金の無償援助1500万円で 実施されたプロジェクトであり、2001年に始まり2010年秋に完成した。

日本国の緑の地球防衛基金は、生態系の環境保護を目的に砂漠化の防止を推進するため 、日本国の初代環境庁長官である大石武一氏の発起により、日本国の国会議員、自然を愛 する人士で組織された民間団体である。

「中日友好林」は、蜀松、刺柏、龍柏、側柏、花椒、刺槐、毛白楊、沙棘、雪松、女貞 、柳樹、中槐、紫穂槐、柿木樹等の樹種、合計144,040株であり、緑化面積は50haである。

その後、式典周辺の植林地を視察した。

記念植樹をする大石会長

 南寺山の表面積は、83.9haであるが、山の地形が険しいことから、植林適地は約41.6%の 34.7ヘクタールに留まった。当初ここを植林することにしていたが、その後、銅川市は少なくと も山全体の50haを緑化したいとの意向を打ち出した。当基金も銅川市の要望を受入れ、約10haに ついては地域住民の理解を得ながら山中に散在する畑を植林する「退耕還林」を行い、残りの約 5haについては山沿いの国道沿いにある博物館周辺に植林することになった。


中日友好林記念碑

中国銅川市南寺山の植林緑化実績

(単位:本)

樹 種 年 別 植 林 本 数
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 合 計
蜀檜
(イブキ)
800 2,290 1,542 1,150 1,000 1,000 1,200 1,200 1,000 210 10,392
刺柏
(タイワンネズ)
980 830   890 1,000 1,000 1,500 200 200 6,600
龍柏
(ヒノキ)
300                 300
側柏
(コノテガシワ)
500 3,000 1,200 1,764 2,000 2,000 3,000 300 300 14,064
花淑
(サンショウ)
12,000 11,000   2,000           25,000
刺槐
(ニセアカシア)
4,900 2,100 500 494           7,994
毛白楊
(ポプラ)
3,200 1,000 6,000 910 6,000 6,000 8,400     31,510
沙棘
(ヒッポファエ)
6,590 7,200 12,000 1,400           27,190
雪松
(ヒマラヤスギ)
  20           1,000   800 1,020
女貞
(トウネズミモチ)
  10               10
桜花
(サクラ)
  10               10
柿子
(カキ)
        3,000 3,000 3,000 1,000 1,000 11,000
柳樹
(ヤナギ)
            1,000 500 500 2,000
中槐
(エンジュ)
              1,000 500 650 2,150
紫穂槐
(コマツナギ)
              2,000 1,000 3,000
総  計 29,270 27,460 21,242 8,608 13,000 13,000 18,100 7,200 4.500 1,660 144,040

(注)面積は退耕還林10ヘクタールを除く。

2010年の計画と費用

中国銅川市の南寺山緑化・水土流出防止事業について、同市王益区農林局から2010年の植林計画が送られてきました。

2000年秋から始めた南寺山緑化・水土流出防止事業は10年目を迎え、本年度が最終年度となります。すでに、昨年末での植林緑化面積は48.75ヘクタール(山中の畑地を植林する退耕還林10ヘクタールを含む)に達しています。本年は、春にイブキ(蜀檜)210本、ヒマラヤスギ(雪松)800本、エンジュ(中槐)650本の合計1,660本を植林し、秋には春に植えた木の活着率次第で補充して木を植えることとしています。これにより植林緑化面積は計画どおり退耕還林10ヘクタールを含めると50ヘクタールとなり、南寺山の全面緑化は基本的に完了することになります。

これに要する経費は、苗木の購入費5万1,820元(約78万円)、苗木を植えるための労賃1万4,940元(約22万円)、水道料と散水に要する労賃6,640元(約10万円)、除草、防水、ネズミやウサギの被害から守る要員2人の管理費2万4,000元(約36万円)の計9万7,400(約146万円)となっています。

秋には、現地で植林完了の記念行事が予定されています。

中国銅川市南寺山植林の2010年計画と費用

木の種類 イブキ
(蜀桧)
雪松
(ヒマラヤスギ)
エンジュ
(中槐)
合計
春季数量 210 本 800 本 650 本 1,660 本
秋季数量 春季に植えた木の活着率次第で、補充して木を植える。  
苗木費用
(本当たり)
6,720 元
(32元/本)
25,600 元
(32元/本)
19,500 元
(30元/本)
51,820 元
植樹労賃 1,660元(9元/木) 14,940 元
灌漑費用
(水道料金と労賃料金)
1,660元(4元/木) 6,640 元
管理費用 2人(毎人12,000元) 24,000 元
合計   97,400 元

「現地調査報告」(2010年1月)

2009年9月22日から25日までの4日間、中国・陜西省銅川市王益区南寺山で実施している緑化・水土流出防止事業の現地調査を行った。

プロジェクトの第9年目に当たる2009年は、春季に当初の計画どおりイブキ(蜀桧)、タイワンネズ(刺柏)、エンジュ(中槐)など7樹種4,500本を植林した。その後、干ばつがあり木の活着率が悪かったことから、秋季には補充してイブキ、エンジュ等350本を植林した。その結果、総計で4,850本が植えらた。

2009年末の植林緑化面積は48.75ha(山中の畑地を植林する退耕還林10haを含む)に達した。王益区の農林局責任者の話では、来年の春、秋の植林後には緑化面積は計画どおり50haに達し、南寺山の全面緑化は基本的に完成するとのことであった。

今年の支援金は150万円(約10万元)で、2001年からの累計は90万元(約1,350万円)に達している。一昨年の話し合いにより、2010年までに毎年10万元(約150万円)を支援することとしており、2010年まで10年間の支援総額は100万元(約1,500万円)が見込まれている。

「現況報告」(2009年1月)

中国銅川市南寺山の2009年植林計画は7樹種4500本

中国陜西省銅川市の南寺山緑化・水土流出防止事業について、同市農林局から2009年の植林計画が送られてきた。計画によると、春にイブキ(1000本)、タイワンネヅ(200本)、エンジュ(500本)、カキ(1000本)、ヤナギ(500本)、コノテガシワ(300本)、コマツナギ(1000本)の7樹種4500本の植林を、秋には春に植えた木の活着率により、補充して植林することを計画している。これに要する費用は、苗木の購入に5万300元(約74万円)、苗木を植えるための労賃に1万8000元(約25万円)、水道料と散水に要する労賃など灌漑費用に1万3500元(約19万円)、除草、防水、ネズミやウサギの被害から守る要員(2人)の管理費用に1万2000元(約17万円)の計9万3800元(約131万円)となっている。

今年の特徴は、植林本数については一昨年1万8100本、昨年7400本、今年4500本と毎年減少しているのに対して、労賃については1本当たり一昨年2元、昨年3元、今年4元、管理費用についても1本当たり一昨年0.5元、昨年2元、今年3元と近年人件費の増加が更に顕著になっていることである。

中国銅川市南寺山植林の2009年計画と費用

木の種類 イブキ
(蜀桧)
タイワンネズ
(刺柏)
エンジュ
(中槐)
カキ
(柿子)
ヤ ナ ギ
(柳樹)
コノテガシワ
(側柏)
コマツナギ
(紫穂槐)
合計
春季数量 1,000 本 200 本 500 本 1,000 本 500 本 300 本 1,000 本 4.500 本
秋季数量 春季に植えた木の活着率により、補充して木を植える。  
苗木費用
(本当たり)
30,000 元
(30元/本)
1,600 元
( 8元/本)
5,000 元
(10元/本)
5,000 元
(5元/本)
2.500 元
(5元/本)
1,200 元
 (4元/本)
5,000 元
(5元/本)
50,300 元
労賃 4,500本(4元/本) 18,000 元
灌漑費用
(水道料金と労賃料金)
4,500元(3元/本) 13,500 元
管理費用 2人(1人6,000元) 12,000 元
合計   93,800 元

中国銅川市南寺山の2008年植林計画決まる

中国陝西省銅川市の南寺山緑化・水土流出防止事業について、同市から1月21日、2008年の植林計画を報告してきた。

今年は、春に8樹種6200本、秋に3樹種1200本の計7400本の植樹を計画している。これに要する費用は、苗木の購入に52800元(約79万円)、苗木を植えるための労賃に22200元(約33万円)、水道料と散水に要する労賃など灌漑費用に14800元(約22万円)、除草、防水、ネズミやウサギの被害から守る2人の要員の管理費用に12000元(約18万円)の計101800元(約153万円)となっている。

今年の特徴は、①前年に比較して、苗木が18100本から7200本と60%減少しているものの単価の高い苗木を購入するため金額的には33%減にとどまっていること、②労賃は前年の一本あたり1.5元から3元と2倍、灌漑費用も1本当たり0.5元から2元と4倍、管理費用も1人3800元から6000元と63%増加していること、が挙げられる。

植林計画では、南寺山地の耀州窯博物館周辺や漆水河川両岸にコマツナギとエンジュが新たに植林されることになった。銅川市では、コマツナギについては「適応力に優れ、繁殖し易い、多年草の潅木であり、干ばつに強く、土地改良も早く、土地の塩害を軽減し、道路の保護や園林の緑化などに幅広く適用される」、エンジュについては「樹冠が幅広く、枝葉が茂り、成長も早く、開花期間が長く、傘のように日陰を作り、都市部での日陰や側道樹木として良好とされている」、また、2007年秋に初めて植林されたヤナギについては、「その環境条件も厳しくなく、どのような場所でも適用が可能であり、その樹冠幅も比較的広く、形状も優美であり、水や湿気に強く、根茎も発達し、土壌を固める力も強く、堤防や岸辺の植栽に適している」としている。これらの樹種を植林することにより、「博物館付近の鑑賞性を高め、南寺山付近の森林面積を広げ、同時に緑化効果と博物館の外観にも効果を発揮しており、その地域の土壌流出にも比較的良好な効果を上げている」とのことである。

2008年の植林計画と費用
木の種類ヒノキイブキコノテガシワエンジュカ キヤ ナ ギコマツナギヒマラヤスギ合  計
春季数量 (本)200200300 1,0001,000500 2,000 1,000 6,200
秋季数量 (本) 500 500 200 1,200
2002003001,5001,0005002,5001,2007,400
苗木費用 (元)3,0001,6001,20015,0005,0002,50012,50012,00052,800
本当たり
苗木費用
15元8元4元10元5元5元5元10元
労 賃 7,400本 (3元/本) 22,200元
灌漑費用(水道料金と労賃料金) 14,800元7,400元 (2元/本)
管理費用2人(毎年の管理費用は1人6,000元) 12,000元
合計101,800元

現地視察報告(2005年4月21日~24日)

中国では毎年3月12日を植樹祭とし、この日を中心に全国各地で市民が総出で植林を行う。今回の視察では、春の植林の成果を見ることが出来た。 南寺山には今春までに22.5ヘクタールの土地に植林を行ったが、これは現在、南寺山の植林適地とされている面積(34.77ヘクタール)の65%にあたる。 南寺山は起伏が険しく、平らな土地が少ないため、植林適地とされている面積は全山の表面積の41%。 山中には、政府の許可を得て付近の農家が耕作している畑がある。銅川市の職員によると、今後は農家の了解を得ながら畑地を植林地に変える、これまで植林適地に含まれていなかった民家に近い土地を植林地にする、山沿いの国道の両側を緑化するなどにより、植林地をあと16ヘクタール広げ、全部で50ヘクタールにする方針とのこと。農家との話し合いを進めている。 換金作物として、経験のある農家に果樹栽培を依頼している。今春、カキを試験的に植えたところ、土壌条件に適合したらしく、生育が良好である。

南寺山の配水管敷設工事完了(2004年12月)

南寺山は黄土高原南端にあり、砂漠化にさらされた半乾燥地です。年間降雨量は400~500ミリ。事業開始当初から植林にはまず、給水施設の設置が不可欠であるといわれてきました。 2002年、山の一角に貯水槽(容量200立方メートル)を設置しました。 貯水槽には、南寺山から2.4キロ離れたところにある深さ180メートルの深井戸を利用、配水管を敷設して水を引き、貯水します。 その後、貯水槽に蓄えた水を全山に給水するための、全長8キロに及ぶ配水管敷設工事を進めました。 2004年冬、さらにもう1つ貯水槽(容量300立方メートル)を設置、全山への配水管敷設工事が完了。各植林地に設けられた給水器から放水できるようになりました。 これまで南寺山ではふもとの川からリヤカーで水を運び上げ、天秤棒とバケツを使って灌水していました。 人力による灌水は重労働である上、ふもとの川は近隣の工場、住宅地からの排水により汚染されており、植物の育成には不適切でした。 南寺山は起伏がはげしく死角が多いため、自動で灌水できるスプリンクラーが利用できず灌水には人手がかかりますが、今回の給水施設の設置により、きれいな井戸水を利用できるようになり、灌水の労力も削減されました。 灌水も適宜行うことができるようになり、苗木の活着率の低下防止に役立っています。

中国銅川市南寺山の植林と費用の状況(2007年)

木の種類 ヒノキ イブキ コノテガシワ ポプラ カキ ヤナギ 合計
春季数量 1,000本 1,000本 2,000本 6,000本 3,000本   13,000本
秋季数量 200本 500本 1,000本 2,400本  1,000本 5,100本
1,200本 1,500本 3,000本 8,400本 3,000本 1,000本 18,100本
苗木費用
(本当たり)
18,000元
(15元/本)
12,000元
(8元/本)
12,000
(4元/本)
16,800
(2元/本)
15,000元
(5元/本)
5,000元
(5元/本)
78,800元
労賃 27,150元(1.5元/本) 27,150元
灌漑費用
(水道料金と
労働料金)
9,050元(0.5元/本)9,050元
管理費用 2人(毎年の管理費用は1人3,800元) 7,600元
合計  122,600元

(備考)経費122,600元(約184万円)のうち、緑の地球防衛基金は10万元(約150万円)を支援している。